ブルゴーニュ ロマネスクの旅 XXV （オータン⑤）

ロラン美術館は大聖堂から小道を少し下ったところにあります。

ロラン美術館はオータンの観光でサン・ラザール大聖堂とともに欠かすことのできない場所です。
ここには「オータンのエヴァ（イヴ）」や「イヴの誘惑」の名で知られる1120年～1135年頃に製作された
浮彫りがあるのです。

受付のある建物には、古代ローマ時代頃遺物、モザイクなどの作品が展示され、中庭を抜けた別の建物に
エヴァや19世紀から20世紀の絵画や彫刻が展示されていました。

ここが中庭にあるエヴァの展示室への入り口です。

 

かつて、サン・ラザール大聖堂のロマネスクの扉口を飾っていた浮彫りで、1766年の改築で廃棄されてしまった（信じられないですよね(＠_＠;)）のですが、100年後に市内のある民家の壁から（これもスゴイ！）再発見されたそうです。

エヴァは左手で知恵の木の実をつかみ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　悪魔の爪らしい↑

右手を口に当てながらアダムに囁きかけ、誘惑している場面です。表情が妖しげです。

エヴァに向かい合っていたはずのアダムは、まだ見つかっていないそうです。
アダムもエヴァと同様どこかの家の壁とかに埋め込まれているのかもしれませんね。

角度によってエヴァの表情が変わりますね。

エヴァと同じ展示室にあった展示品です。

タンパンの一部らしいです。

 

サン・ラザール大聖堂ではない別の教会の柱頭の彫刻です。

 

 

注意されるまで気がつかなかったのですが、この美術館では作品を写真撮影するには、
入場料の他に別途料金を払わなければならなかったようです。

一度目は監視員がいなかったのでパシャパシャ撮っていたのですが、一旦展示室を出てから、
もう一度撮り直そうと思い再び展示室入り撮っていると、先程はいなかった監視員の人が寄ってきて
「タリフ、タリフ！」と言われたので入場券を提示すると、「これではない（たぶんそう言われたと思います＾＾）」との
ジェスチャーでした。受付に戻って撮影用のチケットを買おうかと思ったのですが、一応エヴァは撮ってしまったので
それ以降は撮らないということで失礼させていただきました（冷汗）

というわけで、パンフレットから拝借しました。2点とも15世紀の作品です。

エヴァはもちろんのことですが、古代から現代まで幅広い展示物を備えた充実の美術館でした。

（2011年5月25日午後）

タグ：海外旅行 フランス ブルゴーニュ ロマネスク オータン ロラン美術館

コメント 29

1120年頃の彫刻だなんて、歴史を感じるなぁ・・
改装のときに廃棄だなんてビックリ！
あれだけ古いものを大切にしている国なのにそんな一面もあるのですねー
そして、民家から見つかるとは!!
ほんと、エヴァの顔が角度でぜんぜん違う。おもしろーい。
相方のアダムが早く見つかるといいですね。
by まる (2011-11-08 01:12) 

ご訪問頂き有難う御座いました。
確かに、エヴァの顔の表情が見る角度によって変わりますね。
by MDISATOH (2011-11-08 04:27) 

廃棄されたものが民家の壁から出てきたというのも
奇跡を感じますね。
すごいです。アダムのほうも遺っているといいなって思わずにはいられません。

by リュカ (2011-11-08 07:55) 

撮影用のチケットが必要な場合があるのですね＾＾；
知りませんでした..
by miyoko (2011-11-08 08:06) 

文化レベルの高さがうかがえます＾＾
日本では撮影別料金って聞きませんから驚きますね。
by hrd (2011-11-08 08:54) 

1000年近く昔の彫刻・・・貴重なものですね。壊したのも、民家から見つかったのもおっしゃるように驚きです。反対側にあったアダムも見つかるといいですね。ない分余計にイブの表情で想像してしまいますね。素晴らしいです。 知らないうちに写真撮っちゃって…ちょっとラッキーかな？あまり別料金て聞かないですものねえ。

by yuzuhane (2011-11-08 12:48) 

まだ、料金を払えば、撮影を許可してくれるだけいいですね。
最近は、たいていは撮影禁止ですからね。

１５世紀といえば、ルネッサンスの時代ですが、
イタリアのルネッサンス絵画にくらべたら、派手さはなくて、その素朴さがいいですね。
by dolcevita (2011-11-08 15:53) 

キリスト教美術の歴史を改めて感じますね。。。
よく残っていましたね～（＾ｗ＾）
by rtfk (2011-11-08 16:50) 

ブルゴーニュは古代文化が楽しめるのですね。
いつか行ってみたい・・・　　でも自分の興味はＡＯＣとしてのブルゴーニュ。
唯の「酔っ払い」ですね。しかし、貧乏なのでブルゴーニュでハウスワインばかり飲んでヒンシュクを買いそうです。　＾＾；
by のら人 (2011-11-08 19:18) 

フランスでは、美術品の撮影が許されるものと思っていましたが
規制も有るのですね、それにこのような古い時代の美術品が民家で
発見されるとは凄いですね
by koh925 (2011-11-08 20:07) 

当時は古代遺産を大事にしようという認識はなかったんですかね？
壁に埋まってた、ということは廃品処分で使ったということでしょうしね。
おそらくアダムの方もどこかの民家で使われているんでしょうね。
by 雅 (2011-11-08 21:26) 

この石でできた建物いいですね～～
地震の多い日本では見られない建築物ですよね。
これがヨーロッパっていう感じでいいなぁ～～
私も行きたいのですが、犬がそれもおしっこを毎日取らなくてはならないので、きちんとみとるまでは遠方へは行けそうにありあません。
老後でもいいので絶対に行きたい場所になりました！！
by moira-_- (2011-11-08 22:36) 

皆様、こんばんは。
ご訪問、nice! & コメントをありがとうございます。
今日は立冬。久しぶりに少し寒さを感じる1日で
やっと秋らしくなった感じがする東京地方でした。
by kuwachan (2011-11-08 22:54) 

♪まるさん
改築の時に既に600年位経っている浮彫り（レリーフ）だったのに、
きっとその当時の様式に合わないからと
バッサリと廃棄処分になってしまったのでしょうね。
たまたま歴史的に重要というのが分かっている人がいて、
救ってくれたので今があるわけですが^^
日本的な感覚で考えるとちょっと想像できませんよね。
by kuwachan (2011-11-08 22:56) 

♪MDISATOHさん
こちらこそいつもありがとうございます。
エヴァの表情ですが、記事を書くために写真を見ていて
あっ、違うなって、初めて気付きました^^
by kuwachan (2011-11-08 22:56) 

♪リュカさん
廃棄といってもすっかり捨てるのはやっぱり躊躇われたんじゃないないでしょうか。
どういう経緯で民家の壁に埋め込まれたかはわかりませんが
そのお家に住んでいた方は驚いたことでしょうね。
大聖堂の扉口のひとつにこのアダムとエヴァの浮き彫りがあり、
そして正面（西）の扉口のタンパンには最後の審判。
その組み合わせも凄いなと思います。
古い建物を壊したらアダムが出てきそうな感じがします^^
by kuwachan (2011-11-08 22:57) 

♪miyokoさん
ヨーロッパの美術館はフラッシュ無しなら撮影可というところが多いので、
まさか有料だったと気づきませんでした(T_T)
by kuwachan (2011-11-08 22:59) 

♪hrdさん
エヴァは中世宗教美術の最高傑作と言われているそうです。
日本ではほとんど撮影禁止なので、有料というのはピンと来ませんよね。
by kuwachan (2011-11-08 23:00) 

♪yuzuhaneさん
アダムとイヴはやはりセットで見たいものですよね。
オータンは本当に古い建物が多い町なので
京都じゃないですが、掘り起したら色々と出てきそうな感じがします。

昨年行ったサン・ポール・ド・ヴァンスのマーグ美術館も
撮影料金を取る美術館でしたが、チケット売り場にカメラ撮影する場合と
しない場合の料金が目立つようにと書いてあったので、私でもよくわかりました。
ロラン美術館は帰りに受付でもう一度見たのですがわからずじまいです。
まぁ、今回はラッキーということで(*^^)v
by kuwachan (2011-11-08 23:03) 

♪dolcevitaさん
日本に比べるとまだまだ海外はフラッシュ無しであれば
自由に撮影させてくれる美術館が多いですよね。
ここも払えば撮影可能ですし^^
ただ、いくらフラッシュはダメといっても
フラッシュをたいてしまう人がいるのは困ったことです。
フランスといっても田舎なので、まだルネッサンスが
到達していなかったのでしょうか？
by kuwachan (2011-11-08 23:05) 

♪rtfkさん
ホントに良く残っていたと思います。
西欧文化とキリスト教とは切っても切れないですね。
深く根ざしているなと感じられます。
by kuwachan (2011-11-08 23:08) 

♪のら人さん
特にオータンはローマ帝国が君臨していた時代があったので
古代の文化まで楽しむことができます。
向こうでは、冗談ではなく本当に、ミネラルウォーターよりも
アルコール飲料の方がお手頃価格なのでみんな飲んでいますよ～^^
全然問題ないと思います☆
by kuwachan (2011-11-08 23:14) 

♪koh925さん
大きな美術館は大体大丈夫だったと思います。
私的な美術館が規制しているのかもしれません。
日本のように完全に禁止というところは少ないと思われます。
民家で発見されたと本に書いてあったのですが
どんな民家だったのでしょうね。知りたいです^^
by kuwachan (2011-11-08 23:18) 

♪雅さん
そうですよね。なかったとしか思えないことですよね。
深い意味はなく、ただ単に廃棄処分になったので、持って帰って
これは壁を作るのに丁度いいって利用しただけかもしれませんね。
本当はアダムもイヴも持って帰ったけれども民家なんで持て余しちゃったとか^^
とにかく不思議な出来事です。
by kuwachan (2011-11-08 23:24) 

♪moira-_-さん
そうですね。
オータンはこの美術館の建物だけでなく外側がかなり時代物
と思われる建物が多く、内装だけ変えている家をたくさん見かけました。
特に大聖堂の周囲は古い建物が多かったです。
幸せなワンちゃんですね^^
by kuwachan (2011-11-08 23:29) 

なんとも趣きがあるエヴァの彫像ですね。
建物も雰囲気あって、こんな美術館行ってみたいです。
by ameya (2011-11-09 07:08) 

♪ameyaさん
たぶんこのエヴァはロマネスク時代の象徴なのでしょうね。
独特の雰囲気を持っていますよね。
この建物もかなりの時代ものという感じでした。
塔の部分は螺旋階段になっていたと思います。

by kuwachan (2011-11-09 12:42) 

　「この美術館、写真撮って良かったんだ～！」と、思いながら観てたんです。（笑）ダメだったのね・・・！（笑）まぁ、いいじゃん！わたしたちも、みせていただけて、得しちゃったぁ！（笑）
by あゆさこ (2011-11-09 23:44) 

♪あゆさこさん
こんにちは。
向こうの美術館はフラッシュ無しだったら撮影OKの美術館が多いので
疑いも無く撮っていました(>_<)
たぶん私を注意した人は私が2回目の入室とは思っていなかったでしょう（笑）
また行く機会があったらもうできませんが、今回は、そう、まぁ、いっか、てことで(^^ゞ
by kuwachan (2011-11-10 12:15)