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ブルゴーニュ ロマネスクの旅 XXVI (オータン⑥) [海外@ブルゴーニュ2011]

bIMG_2724眠るマギへのお告げ.jpg
                                   眠るマギへのお告げ@サン・ラザール大聖堂

ロラン美術館を見学した後、もう一度大聖堂に行ってみることにしました。

bIMG_2695聖堂セピア.jpg 

        

大聖堂の中の柱頭の彫刻をもう一度見ていると、祭壇に向かって右側の部屋に、午前中は開いていなかった扉が
開いていることに私たちは気づきました。もちろん入ってみることにしました。
扉を入ると螺旋階段になっていて、そこを上ると、そこはかつての参事会室で、
現在は19世紀の修復の時に外された大聖堂の柱頭の彫刻のオリジナルの展示室となっていました。

午前中柱頭の彫刻を何度見上げても見つからなかったトップの写真の「眠るマギへのお告げ」も
展示されていました。海外の美術館ではよくあることなのですが、どこかに貸出になっているのかな?と
思い込んでいたのです。こんなところに展示されているとは・・・驚きでした。

現在大聖堂の柱頭を飾っている彫刻のすべてではないのですが
いくつかは複製に置き換えられていて、本物はこの展示室に飾られていたのです。
事前調査不足といえば不足だったのですが、ガイドブックを見ても詳しいことが書かれていなかったので
展示室があって、それも午後だけ開館(午後2時~5時半か6時頃までだったような)とは全く知らなかったのです。
午後も来て本当にラッキーでしたし、よかったです。そのまま見ずにオータンを後にしていたら泣くに泣けません。
展示室では至近距離で彫刻をじっくりとみることができます。
これからオータンに行かれるは大聖堂の見学は午後にされた方がいいと思います。

ヴェズレーやソーリューで見た彫刻と同じテーマのものもありましたが、オータンは他に比べると
新約聖書のものが比較的多いそうです。
展示室では彫刻の脇に説明書き(フランス語と英語)があったので、どんな場面なのか探す手がかりになりました。


カインの死

人類最初の殺人事件と言われている

bIMG_2701カインの死.jpg



ユダの首吊り
マタイ福音書第27章第5節

そこで、彼は銀貨を聖所に投げ込んで出て行き、首をつって死んだ。

bIMG_2702-ユダの首吊り.jpg


創世記第4節第9章
主がカインに弟のアベルがどこにいるのか尋ねているところ
(カインとアベルはアダムとエヴァの子供)

IMG_2707神がカインに問いた.jpg

bIMG_2708-主とカイン横.jpg


エジプトへの逃避

ヨセフは立って、夜の間に幼子と母とを連れてエジプトへ
マタイ福音書第2章第14節


bIMG_2710エジブト逃避.jpg

bIMG_2711エジプト逃避右.jpg

同じ場面でもソーリューのものとは随分違った感じに見えます。


ヘデロの前の東方の三博士

マタイ福音書第2章第8節
ヘデロがベツレヘムに遣わして幼子のことを詳しく調べて見つかったら知らせてくれといっている場面
かなり損傷が激しいですね。


bIMG_2713ヘデロの前の博士.jpg



眠るマギ(東方の三博士)へのお告げ
マタイ福音書第2章第12節
天使が東方からやって来た博士たちの一人の手に指先をそっと触れて、
ヘデロ王のところに戻らず別の道で帰るようにお告げをする。
一人だけ目覚めているところがとても印象的です。

bIMG_2717マギのお告げ.jpg

bIMG_2719マギのお告げ.jpg


マギの礼拝

bIMG_2723マギの礼拝.jpg
左が東方の三博士で右が聖母子

側面・・ヨセフは一人何を思うのでしょう???

bIMG_2721.jpg


二つの美徳と二つの悪徳

bIMG_2725-2つの美徳と悪徳.jpg


 

bIMG_2732.jpg

bIMG_2731左.jpgbIMG_2729右.jpg


三つの頭を持った鳥

bIMG_27363つの頭を持った鳥.jpg


バシリスク ギリシャ神話に出てくる想像上の動物

bIMG_2740バシリスク(ギリシ.jpg


バラムのロバ

民数記第22章7-41

bIMG_2750Balaamのろば.jpg


ピグミーとクレイン(鶴に似た動物)の戦い

bIMG_2754pygmyとcraneの戦.jpg


ヒッポグリフ (馬の体に鷲の翼と頭部を持つ伝説の動物)

bIMG_2756ヒッポグリフ.jpg


草木の装飾

とても独創的で素晴らしい文様でした

bIMG_2733-草木.jpgbIMG_2763草木横.jpg

bIMG_2734草木.jpgbIMG_2735草木3.jpgbIMG_2742草木4.jpg

bIMG_2743草木5.jpgbIMG_2744草木6.jpgbIMG_2748草木10.jpg

bIMG_2763草木横.jpgbIMG_2766草木横.jpg

bIMG_2745草木7.jpg

bIMG_2746草木7右.jpg


ここからは、聖堂内の柱頭です。まあなんとか見られる写真をピックアップしてみました^^

bIMG_2611.jpgbIMG_2577.jpg

bIMG_2626.jpg

bIMG_2617.jpgbIMG_2606.jpg

bIMG_2614.jpgbIMG_2598.jpg

↓左ははノアの箱舟  右は炉の中のヘブライ三青年  

bIMG_2575.jpgbIMG_2520.jpg

ヴェズレーの柱頭彫刻はこちら
http://fumi-kuwachan.blog.so-net.ne.jp/2011-08-13
http://fumi-kuwachan.blog.so-net.ne.jp/2011-08-17
http://fumi-kuwachan.blog.so-net.ne.jp/2011-08-23


ソーリューの柱頭彫刻はこちらです
http://fumi-kuwachan.blog.so-net.ne.jp/2011-09-27

興味のある方はよろしければ、合わせてもう一度ご覧ください。

(2011年5月25日午後)


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コメント 32

rtfk

お早う御座います^^)
どれも素晴らしい彫刻ですね。。。
それを刻んだ職人たちは何を思いながら祈りながら
作業をしたのか想像してしまいます(^m^)
by rtfk (2011-11-14 08:03) 

のら人

大聖堂の石の彫刻・・・
凄い数ですね。
それぞれの石の彫刻を見たら、自分はその全ての石の凹部に「指」を入れて見たくなる悲しいかなクライマーの性です。 ^^;
by のら人 (2011-11-14 08:22) 

yuzuhane

おはようございます。聖書に詳しければもっと踏み込んだ鑑賞ができるんでしょうが、全く無知な私が解説していただきながら拝見しても素晴らしいと感じます。題材が殺人とか、首つりでも表情はどこかユーモラスなところが印象的でしたし、彫刻の一つ一つの造作にには目を見張るものがありますね。再訪されて正解でしたね。・・・風邪をひいて不調です。kwachanさんも体調管理なさってくださいね。
by yuzuhane (2011-11-14 09:26) 

hrd

彫刻の解説を一つ一つ見直されて記事にするのって
大変な作業でしょうね^^お陰で彫刻の意図がわかり
興味深く拝見させて頂きました。
by hrd (2011-11-14 14:03) 

koh925

1,2枚目の画像
セピア色で風情があっていいですね
by koh925 (2011-11-14 20:22) 

kuwachan

♪rtfkさん
こんばんは。
今回の旅行の主な目的はこのロマネスクの彫刻を見ることだったので、
これでもかという位見て、堪能してきました^^
この彫刻がなされた当時は今とはかなり宗教観が違っていたとは思いますが、
あつい信仰心がなければ仕事とはいえ、これだけの作品を造ることは
容易ではなかったと思いますね。
by kuwachan (2011-11-14 22:31) 

kuwachan

♪のら人さん
はい、凄い数です。
大聖堂で見上げていると首が痛くなって気分が悪くなるほどでした^^
それに引き替え展示室は明るく、至近距離で見られるので天国のようなところでしたよ(笑)
そうか・・そんな風な見方もあるんですね。とても新鮮です☆
by kuwachan (2011-11-14 22:35) 

kuwachan

♪yuzuhaneさん
この彫刻に限らず、西洋の絵画も聖書がわかるとより深く楽しめるだろうな
いつも思いながら、なかなか実現していません。
今回の旅行でヴェズレー、ソーリュー、オータンと柱頭彫刻を見てきて
あの限られた四角い石の中に聖書の場面を表す彫刻家の表現力には驚かされます。
解説書に出典があればネットで検索して(本当に便利になりました)読んでみると
端っこを少しかじっただけなのにちょっとわかったような気になりました(笑)
はい、再訪は大正解でした。ツアーではできない個人旅行ならではの贅沢でした。
今週は気温が下がって寒くなるようですので、どうぞお大事になさってくださいね。
by kuwachan (2011-11-14 22:49) 

kuwachan

♪hrdさん
そうですね。もうかなり時間も経ってしまいましたし、
ひとつひとつ写真と解説を照らし合わせたりするので、
確かに大変な作業ですが(笑)、面白い部分もたくさんあります。
ただ、ブログがなければやっていなかったでしょうが(爆)
断片的でも聖書を読んだりするとなかなか興味深いものがあります。
意味がわかると更に面白くなるものですね^^
by kuwachan (2011-11-14 22:56) 

kuwachan

♪koh925さん
ありがとうございます。
気分を変えてセピアでも撮ってみました。
石の彫刻はカラーでもモノクロでもあまり変わりませんね(笑)
by kuwachan (2011-11-14 22:58) 

miyoko

彫刻の、人や動物の表情、味があったり、おもしろかった
り、とても楽しいのですね♪ずっと見ていたくなります^^
by miyoko (2011-11-14 23:08) 

あゆさこ

 石の彫刻なのに、繊細に彫られていて、素晴らしいですね!今のように機械もないのに、よくぞ、そこまで彫られたものです。再訪して、ますます、深く観る事ができたでしょうね。(^.^)
by あゆさこ (2011-11-14 23:28) 

tosi

おはようございます
彫刻の構成と物語を限られた空間で
見事に印象深いものに!
いつまでも観ていたい気がします(*^-^*)。
by tosi (2011-11-15 08:03) 

alo-had

素晴らしい。
ちゃんと見たこともなかった彫刻の細部。
カインとアベル。
きっとカインも辛かったに違いない。
息子エノクによって救われたと思いたい。
そんな風に昔思ってたことを思い出しました。w w
by alo-had (2011-11-15 09:37) 

ameya

セピア色の写真がずらっと並びましたね。
でも、色のない世界でもたくさんのドラマが。
石像とは魅力ある芸術ですね(^_^)
by ameya (2011-11-15 10:26) 

kuwachan

♪miyokoさん
彫刻は、ひとつひとつにドラマがあるようで面白かったです。
表情がとても豊かに彫られていますよね。
あの限られた中で表現する作り手の表現力も凄いと思います。
by kuwachan (2011-11-15 12:44) 

kuwachan

♪あゆさこさん
至近距離でみるとその細かさに改めて驚かされました。
当時の技術の高さがわかりますよね。
暗い聖堂の中で下から見上げてみるのと至近距離で見るのでは
印象が全く違いました。再訪して本当によかったです(*^^)v
by kuwachan (2011-11-15 12:45) 

kuwachan

♪tosiさん
こんにちは。
この限られた四角い中で物語を表現するのは
とても難しかったのではないかと思われます。
それだけに作り手の思いもギッシリと詰った彫刻に
なっているような気がします。
by kuwachan (2011-11-15 12:46) 

kuwachan

♪alo-hadさん
お詳しいのですね!凄いです!
カインの息子がエノクなんですね。
ということはカインの下に描かれているのはエノク?
ここまでわかると彫刻を見る目が更に変ります。
深いですね・・・。
by kuwachan (2011-11-15 12:48) 

kuwachan

♪ameyaさん
意図的に取ったセピアやモノクロの写真を並べてみました。
色のない世界だからこそ見えてくるものをありますよね。
石の彫刻を見ていると様々な想像が膨らんできますね。
by kuwachan (2011-11-15 12:48) 

タカタカ

神秘的な彫刻に心が引かれます、
大変貴重な彫刻を拝見されて羨ましいです。。
by タカタカ (2011-11-15 13:07) 

moira-_-

とても立派な彫刻ですね。
聖書に出てくることが描かれていたり、ギリシャ神話も描かれていたり
いいですね~~~♪
by moira-_- (2011-11-15 16:52) 

リュカ

本当にすばらしい彫刻。
日光東照宮の彫刻も、見ていたら日が暮れちゃいますが
ここもそうですね!(笑)
ちゃーんと意味があるのが面白いです。
by リュカ (2011-11-15 19:27) 

kuwachan

♪タカタカさん
こんばんは。
ガイドブックを見ながら「行きたいな~」と思っていたことが
まさか本当に実現するとは自分でも驚いています。
姪っ子のおかげで素晴らしい彫刻を見ることができて
つくづく幸せだなと感じています。
by kuwachan (2011-11-15 21:58) 

kuwachan

♪ moira-_- さん
見れば見るほど凄いなと思いますね。
一番多い題材が聖書なのですが
植物や動物も見応えがありました。
by kuwachan (2011-11-15 22:02) 

kuwachan

♪リュカさん
展示室での至近距離での鑑賞は本当い感動ものでした。
柱頭だと見上げるので限界があるのですが(笑)
ここでは何度も何度も繰り返して見ることができました。
日光東照宮は例のお猿さんしか覚えていません。
もう一度言ってちゃんと見たいです(^^ゞ
by kuwachan (2011-11-15 22:14) 

雅

ご無沙汰しておりました。
自分はいたって元気なのですが、やる気が完全に元気を失ってます(笑)
明日明後日も飲み会が入ってるし、次の記事はいつアップできることやら。
キリスト教徒ではないのでよくわからないのですが、どの彫刻も見る人が見たら素晴らしいものなんでしょうね。
by (2011-11-15 22:19) 

kuwachan

♪雅さん
お久しぶりです^^お元気そうで何よりです。
まだまだお仕事に接待にと忙しい毎日だと思っていました。
今は那覇マラソンに向けてまっしぐらですか?(笑)
西欧ではキリスト教を抜きには何事も考えられませんが
キリスト教とかの枠を超えて、芸術的な作品として凄い、素晴らしいなと思います。
聖書の嗜みがあれば更に深く・・という感じですね。

by kuwachan (2011-11-15 22:35) 

テリー

双頭の鷲は、よく、見かけますが、3つの頭をもつ鳥は、初めてです。
聖書の物語を知った上で、こういう彫像を楽しむのは素敵ですね。
by テリー (2011-11-17 12:47) 

kuwachan

♪テリーさん
想像上の鳥って結構あるものなのですね。
聖書の特に有名な部分だけでも知っていると、
西欧の絵画や彫刻を鑑賞する時に一歩踏み込んで鑑賞ができますね。
実際にはなかなか難しいですけれど(^^ゞ
by kuwachan (2011-11-18 12:28) 

りゅう

見応えありますね~
聖書の記述とともにご紹介していただけ、
とってもわかりやすかったです。
セピア色の大聖堂、映画のオープニングとかに出てきそう。
ブラボー!!(^_^)
by りゅう (2011-11-20 23:33) 

kuwachan

♪りゅうさん
すごいでしょ・・・^^
見応えありました。
ほんのちょっとでも聖書の知識があるだけで全然違いますよね。
ネットで日本語訳を調べることができたので助かりました。
りゅうさんが紹介して下さった例の本も参考になりましたよ。
古い映画の出てきそうなシーンですね^^
by kuwachan (2011-11-21 13:04) 

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