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ブルゴーニュ ロマネスクの旅 XXXⅡ(ボーヌ③ オテル・デューその2) [海外@ブルゴーニュ2011]

bIMG_3006オテルデュー井戸.jpg

オテル・デューの続きです。

「貧しき者の広間」を出ると、中庭を囲むように小さなお部屋が並んでいて、見学の途中、
順路通り行くと何度か中庭が見渡せるところ出てきます。

ゴシック式(尖がっているところでしょうか?)の鉄製の枠に囲まれている井戸。
この施療院全体の水源として重要な役割を果たしてきたそうです。

↑上の写真を見ていただくとよくわかりますが、回廊は1階と2階の2層式になっていて、
病人の世話をする尼僧たちは天気の悪い時でも存分に働くことができたそうです。

外の通りに面していたのがこちらの黒っぽい屋根の建物で「貧しき者の広間」はこちらの建物にあります。

bIMG_2941オテルデュー.jpg

建物の暗がりの向こうに小さく見えるのが入ってきた入口です。

bIMG_2949オテルデュー入口中.jpg


 

聖ユーグの部屋

1645年にユーグ・ベトーの提唱によって作られお部屋です。
どのように病人が介護されてきたかが展示されていて、当時の様子を垣間見ることができました。

壁の絵画はイサック・モリヨンという画家によって絵が描かれたものだそうです。

↓の絵は、聖ユーグがペストで亡くなった子供二人を生き返らせる奇蹟の場面です。

bIMG_2945 聖ユーグの部屋.jpg

 

bIMG_2944-聖ユーグの部屋.jpg

↓は天井画には「ベツサイダの泉の奇蹟」・・・イエスが行った奇蹟のひとつらしいです。

bIMG_2943聖ユーグの部屋天井.jpg


次の聖ニコラの部屋は、瀕死の重病人を軽い病人から隔離するために使われました。

bIMG_2946聖ニコラの部屋.jpg

当初は男女合わせて12の寝台が置かれていたところ、1658年にルイ14世(太陽王と呼ばれたヴェルサイユ宮殿を造営した方ですね)がここを訪れて非常に驚き、その後ルイ14世は施設を拡張して部屋を男女別にすることができるように資金を提供したということです。口だけでなくちゃんと出すものは出すのが国王たるものですね^^

 

厨房

1985年までは当時の最新設備を備えて、養老院で暮らす人のために食事が作られていましたが、
現在では20世紀初頭の厨房が再現されているそうです。

bIMG_2947厨房.jpg
↑左の方に見える金色の蛇口は「白鳥の首」と呼ばれる温水用の蛇口です。下はかまどになっています。

何に使われていたのかはよくわからなかったのですが、1698年の鋼鉄製回転の取手で
「ベルトラン先生」と名付けれた愛嬌のある小さな自動人形がついています。

bIMG_2954.jpgbIMG_2955.jpg


1971年に病院の機能は近代的な別の施設に移されましたが、養老院はそのまま残りました。
これが現在も使われている養老院です。

bIMG_2956 養老院.jpg

 

薬局

bIMG_2958薬局.jpg

bIMG_2957薬局.jpg

中世においては、現在のように薬が一般に
流通していなかったので、各病院で作って
いたそうです。

この施療院では、この薬局から屋根付きの
廊下で
つながった菜園があって、
これらの薬に使う植物を栽培していました。

また、薬局の奥には(見学不可)ラボラトリー
があって、当時の薬学の最先端の研究も
行われていたとのことです。


















次回はオテル・デューの最終回で、展示されていた最後の審判の絵やタペストリーをご紹介する予定です。

(2011年5月27日午前中)


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コメント 41

ねじまき鳥

とんがり屋根がいいですね。

by ねじまき鳥 (2012-01-10 23:22) 

rtfk

ビールもワインも薬も
修道院で作っているものは
残っていますよね^^)

by rtfk (2012-01-10 23:43) 

zak

フランスの美しい穏やかな風景ですね・・
かつてイタリアから南仏~パリ~ボルドーを旅したことが
ありますが・・私には見えなかった素敵な世界ですね。

ps・ コメント有難うございます。
都会では味わえない世界があるのは
田舎では味わえない世界があるからなのです。
また・・その逆ですね。
by zak (2012-01-11 00:00) 

般若坊

↑ その通りですね! すばらしいコメントです。 しかし都会の人々は往年の美をすっかり忘れて、このような所に来て観てその美しさに打たれるんですね! 
by 般若坊 (2012-01-11 00:11) 

まる

ベルトラン先生、愛嬌たっぷり。
この部屋の人形の中で一番古いのでしょうね^^
養老院、今も使われているのがすごいなぁと思います。
by まる (2012-01-11 01:02) 

miyoko

病人のお世話とか..大変なことが行われていたのだろうな~
と思うのですが、建物も薬局もかわいらしくて、お話の世界
の中のように見えてしまいます。^^
by miyoko (2012-01-11 02:32) 

koh925

おはようございます
さすがに、詳しく観察されていることに驚きました
私なら、ただ凄いねと言いながら通り過ぎてしまいそうに思います
鋼鉄製回転の取手、私は下の階の荷物などを上に上げるリフトのように
見えます
by koh925 (2012-01-11 09:33) 

angie17

修道女のマネキン(?)が、怖い~(笑)
by angie17 (2012-01-11 11:23) 

kuwachan

皆様、こんにちは。
激重の中、ご訪問、nice!&コメントありがとうございます。
最近夜、特に10時以降、曽根風呂は激重ですよね~。
皆がアクセスする時間なので仕方がないとはいえ、
冗談じゃない!というほどの重さ。
1時間でもほんの僅かしかお邪魔できません(>_<)
で、今朝は頑張って早起きしたところ、信じられないほどサクサク~!でした。
でも7時ごろになると少しノロっ状態に。
もうちょっとなんとかしてもらいたいです。
by kuwachan (2012-01-11 12:50) 

kuwachan

♪ねじまき鳥さん
とんがり屋根って童話の世界に
入り込んだ気持ちになりますよね。
by kuwachan (2012-01-11 12:50) 

kuwachan

♪rtfkさん
そうなんですよね。
修道院って凄いですよね。
作り手の修道士さんたちも飲んでいたのでしょうか。
まさか作るだけ???^^
by kuwachan (2012-01-11 12:51) 

kuwachan

♪zakさん
人それぞれ見方が違うところが興味深いです。
きっと私が気づかず見えていなかった世界を
zakさんは覗いていらしたのだと思います。

追伸ありがとうございます。
まさにおっしゃる通りですね^^
by kuwachan (2012-01-11 12:52) 

kuwachan

♪般若坊さん
心に響くコメントですよね。
両方あるからこそ、深く感銘するのだと思いますね。
片方ではその良さがわかりませんもの。
by kuwachan (2012-01-11 12:52) 

kuwachan

♪まるさん
きっとそうなのだと思います。
ずっと現役だったのでしょうね(笑)
病院の方も使おうと思えば使えそうですが
やはり最新の設備は難しかったので
移転することになったのだと思います。
by kuwachan (2012-01-11 12:53) 

kuwachan

♪miyokoさん
窓から見える幾何学模様の屋根を見ていたら
まるで絵本の中にいるようですものね。
病気になってふさぎがちになる心も
癒されたのではないでしょうか。
by kuwachan (2012-01-11 12:53) 

kuwachan

♪koh925さん
こんにちは。
ブログ効果ですね。
以前よりも一生懸命見ているような気がします。
記事にしようと思うからでしょう(笑)
また記事にする時にパンフレットをもう一度見返したりしますが
以前は見学の時だけでお終いでした(^^ゞ
滑車がついているので何か引っ張るものでしょうね。
by kuwachan (2012-01-11 12:55) 

kuwachan

♪angie17さん
夜、人けのない状態で見たら、恐ろしいでしょうね。
悲鳴がでそうです(笑)
by kuwachan (2012-01-11 12:55) 

リュカ

厨房が再現されているのはいいですね。当時の様子がよくわかります^^
薬局のつぼや瓶もおしゃれだなー。
紅茶が入っていそうな感じ(笑)
by リュカ (2012-01-11 15:28) 

こうちゃん

ヨーロッパというより、海外は
こういう文化の保存に一生懸命ですよね。
しかも無料で公開しているところが多いですよね。
by こうちゃん (2012-01-11 15:43) 

hrd

建物を維持するのも技術的、経済的にも大変だと
思いますが後世まで残してほしい美しさですね^^
by hrd (2012-01-11 17:27) 

めい

歴史ある建物に感動です
実際に見たらもっと奥深く見れるのでしょうね
時代が蘇ってくるようです。

by めい (2012-01-11 20:29) 

Jetstream777

興味深く拝見させていただきました。 実物をみると更にいいでしょうね。
ヨーロッパは文化保存で、いつまでたっても景観が変わらない。 街も大きく変わらない。 ほっとしますね。
by Jetstream777 (2012-01-11 20:57) 

kuwachan

皆様、おはようございます。
ご訪問、nice!&コメントありがとうございます。
by kuwachan (2012-01-12 07:01) 

kuwachan

♪リュカさん
どんなものを利用していたのかがわかって楽しいですね。
白鳥の首の下はかまどになっているから温水が出たのですよね。
その工夫も素晴らしいなと思いました。
本当に薬局といわれなければ紅茶さんの店先で
壺が並んでいるように見えますね。
by kuwachan (2012-01-12 07:03) 

kuwachan

♪こうちゃん
ここは無料ではなかったのですが
美術館や博物館で無料のところもありました。
有料でも、日本に比べて入館料がその時のレートにもよりますが、
安いと思います。大体1000円以下です。
by kuwachan (2012-01-12 07:05) 

kuwachan

♪hrdさん
この美しさは保存していって欲しいですね。
いつの時代の人が見ても感動すると思います。
ここは今もワインでしっかり稼いでいるようなので
大丈夫じゃないでしょうか^^
by kuwachan (2012-01-12 07:05) 

kuwachan

♪めいさん
コメントをありがとうございます。
歴史ある建物がほとんど当時のまま残されていて
素晴らしかったですよ。
そうですね。実際のその場所に行くと
一瞬タイムスリップしたような感じになります。
by kuwachan (2012-01-12 07:09) 

ameya

薬局。。。僕の頭では絶対薬局とは気づかないです。
ほんと、興味深いなあ。
by ameya (2012-01-12 07:09) 

kuwachan

♪Jetstreamさん
ヨーロッパは戦争で壊れても新しく造るのではなく、
復元を選ぶ位住民ひとりひとりが景観とか文化に対する
保存意識が高いので、変わらないのでしょうね。
by kuwachan (2012-01-12 07:09) 

kuwachan

♪ameyaさん
私も同じですよ~(^^ゞ
見学していてここは「薬局」ですと書かれていて
天秤とか調合用の鉢とかが置かれているので
あ~そうなんだ~って・・・・思うのです。

by kuwachan (2012-01-12 07:13) 

のら人

薬局のボトルの数々 ・・・ お酒のボトルに見えてしまいます。^^;
それも、高級なブランデーやカルバドスに見えてきます。
アル中か!? (爆)
by のら人 (2012-01-12 20:13) 

雅

500記事目ですね。おめでとうございます。

こういう建物を作るなんて、ルイ14世はヴェルサイユ宮殿を建てて浪費しまくってただけじゃあないんですね。
関係ありませんが、薬の壺、お茶か何かの壺にしか見えませんねー
by (2012-01-12 21:08) 

kuwachan

皆様、こんにちは。
ご訪問、nice!&コメントありがとうございます。

by kuwachan (2012-01-13 12:20) 

kuwachan

♪のら人さん
瓶はすべてお酒に見えてしまう・・・ですか?(笑)
こんな棚に綺麗に並んでいると高級感が出てきますよね^^
あ、確かアルコールありましたよ・・薬用でしたが(爆)
by kuwachan (2012-01-13 12:23) 

kuwachan

♪雅さん
ありがとうございます。
いつの間にか500になっていました。チリツモですね(^^ゞ

ルイ14世は拡張の資金援助だけで500リーヴル出したそうなんですが、
(パンフレットに記載されていました)現在でどの位の価値なのかが
サッパリわかりません。
当時はツボといったらこんな感じのツボしかなかったのではないでしょうか。


by kuwachan (2012-01-13 12:28) 

あゆさこ

 500記事達成、おめでとうございます!これからも、楽しませてくださいねぇ。(*^_^*)
by あゆさこ (2012-01-14 06:02) 

yuzuhane

建物の外観が印象的なのでそこに気を取られぎみですが、実は施療院だということがよくわかりました。ルイ14世も感じるところがあっての援助だったのでしょうね。。薬のつぼが素敵ですね。…500記事なんですね。遅ればせながら祝!
by yuzuhane (2012-01-14 15:49) 

ソニックマイヅル

こんばんは!まずは500記事おめでとうございます。
生きている間に一度はヨーロッパに行ってみたいです。
これは本当に純粋な思いでございます。^^;
by ソニックマイヅル (2012-01-15 00:16) 

kuwachan

♪あゆさこさん
ありがとうございます。
どれだけ続けられるかわかりませんが、
今のところは続けていくつもりです。

by kuwachan (2012-01-15 08:15) 

kuwachan

♪yuzuhaneさん
屋根の印象があまりにも強すぎて、他のところが薄れてしまいますよね。
国王がパリからボーヌまで訪れるって当時としては凄いことですよね。
この施療院の噂が轟いていたからでしょうね。
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
by kuwachan (2012-01-15 08:18) 

kuwachan

♪ソニックマイヅルさん
ありがとうございます。
ヨーロッパは一度行くと何度でも行きたくなりますよ^^
魅力がいっぱいのところです。
by kuwachan (2012-01-15 08:20) 

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