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ポルトガル縦断の旅 その29<バターリャ修道院 その4 柱のない参事会室> [海外@ポルトガル2015秋]

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参事会室です。

この部屋を設計したのは、アフォンソ・ドミンゲス。
当時としては非常に斬新な設計で、交差リブヴォールトによって支えられている部屋には、
柱が1本もありません。

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リブヴォ―ルトについて簡単にご説明しますと

「ヴォ―ルト」とは半円筒形(かまぼこ型)の天井のことで、

対角線状の湾曲した肋骨状の骨組み材の部分が「リブ」です。


従って、交差リブヴォールトとは左の写真のような

天井の建築形式のことだと思われます。

参事会室は、部屋が広く、かまぼこ型というよりドーム型の天井。

湾曲した肋骨状の骨組みが16本もあるので、さらに進化したもの?

*交差リブヴォールトについて詳しくは、

こちらこちらをご覧くださいね。

 

 

 

 

実は柱のない空間を感じていただけるような部屋の写真が撮れていなくて・・・非常に残念です(>_<)

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柱が1本もなかったために、完成した時には石の天井が落ちるのではないかと大騒ぎになり
設計者のアフォンソ・ドミンゲスが安全性を証明するために3日3晩この部屋に座り続けたとか。

そして、現在もこの部屋の片隅の少し高いところから見守っています。(ボケてますが(^^ゞ))

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この部屋に飾られている色鮮やかなステンドグラスは、キリストの受難の場面です。
16世紀のものとのことです。

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参事会室から中庭を望む。

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現在参事会室には、第一次世界大戦とアフリカの植民地争いで命を落とした無名戦士のお墓が置かれていて
陸軍の若い兵士に常時守られています。
もう少しで交代の儀式があるということで、少し待って儀式を見学しました。

動画を撮ればよかったのですが、いつも撮っていないので、操作が分からず、写真です(^^ゞ

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かつて食堂だったところが、博物館とショップになっていました。

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交代の儀式を見た後、もうひとつの回廊、アフォンソ5世の回廊の方へ行きます。
こちらは15世紀に造られたゴシック様式の回廊です。

天井はリブヴォールトで覆われています。
交差部にあるボタンのようなものは紋章で、ドゥアルテ1世とアフォンソ5世のものだそうです。

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前回ご紹介した、ジョアン1世の回廊も最初は、きっとこのような簡素な回廊だったのでしょう。
いかにも修道院らしい佇まいです。

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こちらも、中庭には立派な糸杉が植えられていました。

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未完の礼拝堂を見学するには一度外に出なければならないので回廊から外へとでます。

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正面の少し黒ずんだ建物が未完の礼拝堂です。


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次回はこの未完の礼拝堂をご紹介する予定です。

 

(2015年9月21日午前中)

 


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コメント 24

takenoko

天井がおちついたきれいな色合いですね。石の色なんでしょうね。
by takenoko (2016-02-25 05:08) 

ma2ma2

警備が厳しそうですね!
戦いにも宗教が影響するのですね(^^)
by ma2ma2 (2016-02-25 07:01) 

YAP

柱のない広い空間が伝わってきてますよ。
当時、こういう建築を造った設計技術に感心します。
by YAP (2016-02-25 08:06) 

ソニックマイヅル

おはようございます。たまにテレビでも見かけますが、兵隊さんの業務も大変ですね。私には絶対に出来ません。ステンドグラスの芸術も素晴しいですね。^^;
by ソニックマイヅル (2016-02-25 09:27) 

kuwachan

皆様、こんにちは。
ご訪問、nice!&コメントをありがとうございます。

♪takenokoさん
やはり宗教施設だからでしょうか。
たまたま近くで採れた石がこんな色だったのか^^


♪ma2ma2さん
日本ですと靖国神社のようなところかもしれないですね。
現在ではそこまでのことはないかもしれませんが
宗教の影響力は大きかったと思います。


♪YAPさん
ありがとうございます。
アングルを失敗したなと残っている写真を見ながらため息をつきました(^^ゞ
当時どうやって計算したのか分かりませんが、
これで絶対天井が落ちないという自信が凄いですよね。


♪ソニックマイヅルさん
こういう衛兵の業務は大変だと思います。
微動だにできませんからね。
そうですね。ここのステンドグラスはとっても綺麗でした。

by kuwachan (2016-02-25 12:46) 

らる

2枚目の写真は,どこかで見たような構造だなと思って記憶をたどり,
八景島のマリンゲート中央部分の構造を思い出しました.
http://photo-memory.blog.so-net.ne.jp/2015-11-25#more

見た目が美しいし,しっかりとした構造だからこそ,
今も残っているし,新しいものにも使われる理由かもしれませんね.

今でも無名戦士のお墓を守るとは,
命を落とした戦士たちは無念さを思うとともに
国民に対する国のあり方が見えたような気がして,
なんだか国の考え方の豊かさがうらやましく思います.
我が国には国民に痛みばかり与えるのではなく
もっと国民を大切にする平和な国として
名を高めてもらいたいと切に願うばかりです.
by らる (2016-02-25 13:21) 

koh925

衛視の後退はモナコで見たことがありますが揃っていますね
ステンドグラスに目を見張りますが、天上の曲線的な形状も
見逃せませんね
by koh925 (2016-02-25 16:58) 

ひろし

最近ではこういう造りも珍しくないですが、当時の技術で柱のない工法で作るって難しかったんでしょうね。
いい空間、バッチリ撮れてますよ。

兵士の交代シーン、動画でなくても雰囲気が伝わってきますよ。


by ひろし (2016-02-25 20:40) 

八犬伝

アフォンソ・ドミンゲスさん、今でも心配なのでしょうかね?
いいなあ、見張ってるって。
by 八犬伝 (2016-02-25 21:12) 

Jetstream

中庭も回廊も素晴らしい作りですね。  どの天上のアーチもいいアクセントのデコレーション。 ン~ いいです!!(^^)!
by Jetstream (2016-02-25 21:32) 

テリー

柱を1本も使わずに、天井を構造で、支えるとは、すごいですね。
by テリー (2016-02-25 22:07) 

Hiloyan

柱なしで支えている感じは写真からも十分伝わってきていますよ。
当時としては、相当に珍しいものだったのでしょうね。
いよいよ、未完の意味が明らかになるのですね。
楽しみにしていますね。
by Hiloyan (2016-02-25 22:49) 

ふにゃいの

広いですね~。
アフォンソ・ドミンゲスさんいい味だしているなぁ。
礼拝堂が楽しみです。
by ふにゃいの (2016-02-25 22:53) 

コンブ

言われなければ柱のない構造の凄さは分からないでしょうね。
修道院だからか派手さはなく落ち着いたいい雰囲気です。
by コンブ (2016-02-26 04:33) 

あおたけ

参事会室のリブ・ヴォ―ルト、美しい曲線ですね〜(^^)
柱の無い広い空間の雰囲気、お写真からじゅうぶんに伝わります♪
ヴォ―ルトって言葉、実は鉄ちゃんには意外と馴染み(?)があって、
ドーム型天井をした小田急ロマンスカーは、
「ヴォ―ルト・スーパー・エクスプレス」の略でVSEと呼ばれているんです(^^)
護衛兵の交替、いいシーンに巡り会いましたね☆

by あおたけ (2016-02-26 08:53) 

リュカ

兵隊さん、最初に写っている写真
置物??って思うくらい
写真でも微動だにしてないのがわかるーーー!
by リュカ (2016-02-26 10:11) 

ryuyokaonhachioj

ありがとうございます。
広いですね。柱が無く広いですね。建造の技術
でしょうね。
by ryuyokaonhachioj (2016-02-26 11:10) 

kuwachan

皆様、こんにちは。
ご訪問、nice!&コメントをありがとうございます。

♪らるさん
すごい!こういうところにも使われているとは、よく覚えていらっしゃいましたね。
私も見たはずなのに気づいていませんでした(^^ゞ

ゴシック建築でで高い建物を建てることができるようになったのは
このリブヴォ―ルトとフライングバッドレスの登場によるものだと言われれいるのです。

そうですね。
特に最近の情勢を考えるとどうも時代に逆行しているように思える部分もあって
不安になることがあります。国民ひとりひとりが流されずに事態をしっかりと
見極められるようにならなければならないと強く感じる今日この頃です。


♪koh925さん
プラハでも見たことがありましたが、見事に揃っていて綺麗ですよね。
この広い空間を柱無しは当時の人が不安になるのもう頷けましたよ。
素晴らしい技術だなと思いました。


♪ひろしさん
それは難しかったと思いますよ。
ゴシック建築で採用されたようですが
ここまで広い空間は初めてだったのではないでしょうか。
建築家はそれは自信満々だっと思いますが(笑)
ありがとうございます(^^ゞ
私のは24mm、もうちょっと広角が欲しくなりますが
持っていたとしても、旅行だとそう何本も持っていけないので仕方がないですね。


♪八犬伝さん
あれは、「ホレ見ろ、大丈夫だろ?」かなとも・・・(笑)
片隅にいるところがいいですよね^^


♪Jetstreamさん
見事な中庭の装飾に、天井のリブヴォ―ルト。
見応えたっぷりでした。


♪テリーさん
あれだけの広さの空間の天井を柱無しって凄いですよね。
今入っても、一瞬大丈夫かな?と思った位でしたから
当時の人は大騒ぎになるはずです。

by kuwachan (2016-02-26 12:39) 

kuwachan

♪Hiloyanさん
ありがとうございます。
これだけ大きな建物は当時そうあちこちにあるわけでないで
凄く珍しい建造物だったと思います。それに柱が無いわけですからね。
はい、未完の部分が明かされます。どうぞお楽しみに(^_-)-☆


♪ふにゃいのさん
でしょ~^^
自分で作ったかどうかはわからないのですが
この空間でとってもいい仕事していますよね。
完成している部分はまたこれが凄いんですよ~お楽しみに!


♪コンブさん
今でこそ柱のない部屋とよくあると思いますが
この当時としてはもうびっくりぽん状態だったと思われます。
そうなんですよ。ここは回廊のような装飾はなく、
ステンドグラスが彩りを添えていただけでした。


♪あおたけさん
この曲線を出すこと自体もすごく難しい技術だったんじゃないかな?と思いますよね。
ありがとうございます(^^ゞ
えっ、そうなんでか?建築物と列車と繋がりがあるとはそれはびっくりです。
ほ~、車体の名前に使われているのですね。
ということは、この天井を見て、思わずVSEだ!と思ってしまう人も
多いかもしれないってことですね(笑)


♪リュカさん
そうなの~ピクリとも動かなかったのよ^^
蚊とかに刺されたらどうするのかな?なんて
考えるのは凡人だけかしら(笑)


♪ ryuyokaonhachioj さん
写っている人の大きさでご想像頂けると思いますが
凄い広いお部屋だったのです。
人間が考えた素晴らしい技術ですよね。

by kuwachan (2016-02-26 12:58) 

ゆきち

天井、きっちり支えてしかも美しい♪
派手さはないけれど素晴らしいですね!
by ゆきち (2016-02-26 19:37) 

kick_drive

こんばんは。これだけ広い空間に柱がなければこの時代の人たちは不安どころではなかったかもしれませんね。
交代の儀式をしている兵隊さんは多くのギャラリーに見られていても、きっと誇りを持ってやっていると思うので照れたりしないんででょうね。

by kick_drive (2016-02-26 23:00) 

kuwachan

♪ゆきちさん
これだけの天井を柱無しで支えるとは
現在の技術であれば難しくないことなのかもしれませんが
当時としたら超がつくような最先端の技術だったのでしょうね。


♪kick_driveさん
そうだったと思います。
今でも大丈夫かって思いましたから(笑)
兵隊さんたち、お仕事ですからきっと慣れたものなのでしょう。

by kuwachan (2016-02-28 07:57) 

kou

いくつかの写真で拝見しているイトスギですが、どれも立派なサイズですね。どのくらいかけると写真くらいまで育つのでしょう。
交差リブヴォールトによる柱のない空間、素晴らしいですね。コンピュータによるシミュレーションができなかった当時、周囲が大騒ぎしたのも分かります。(^^;
by kou (2016-02-29 22:24) 

kuwachan

♪kouさん
どの位の期間であの大きさになるのでしょうね。
杉も成長が早いので、糸杉も早そうですよね。
柱無い空間も今じゃそう驚かないと思いますが、時代が時代ですからね
よく考えて設計したなって思います。人間って凄いですよね^^


by kuwachan (2016-02-29 23:46) 

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