ポルトガル縦断の旅 その37<アルコバッサ修道院 その2> [海外@ポルトガル2015秋]
修道院の中の教会堂の部分です。
特徴として身廊(中央部分)、側廊の部分がほぼ同じ高さだそうで、約20メートル以上あるとのことです
装飾のないすっきりとした天井や壁面が簡素を重んじるシトー会らしい造りです。
装飾のほとんどない修道院の中でひときわ目立つのが精巧な彫刻が施されたふたつの棺があります。
これには悲恋の話があります。「美貌のイネスとアフォンソ四世の王子ペドロの物語」です。
掻い摘んでいいますと、
ペドロ王子は、隣国のカスティリア(スペイン)からお妃としてコンスタンサを迎えたところ
そのお妃に同行してきた侍女である美貌のイネス・デ・カストロと激しい恋に落ちてしまいます。
当然のことですが、父の王アフォンソ4世は激怒して、この2人を引き離しにかかります。
しかし、この二人は密かにコインブラ(見事な図書館があったところです)の対岸の小さな泉の前で逢瀬を続けていました。
ペドロのお妃のコンスタンサは、王子フェルナンド(のちのフェルナンド一世)を出産するのですが亡くなってしまったので
ペドロはイネスとの関係を公然として、2人の間に子供も3人生まれました。
ところが隣国のカスティリアの圧力を警戒した父の王と家臣たちは策謀をめぐらし、3人の刺客を送り、
ペドロとイネスの2人が密会を重ねていた泉のほとりでイネスを殺害してしまうのです。
イネスの死後2年後に国王である父が他界すると、王子がペドロ1世として即位しました。ペドロ1世は即座にイネスを正式な妻とし、
教会にも認めさせます。同時にイネスの殺害に加わった者を捕え、すべて処刑してしまったそうです。
更にイネスの遺体を掘り出して化粧を施し、絹の衣装と冠を付けて玉座に座らせ、居並ぶ家臣たちをひざまずかせて
王妃として認めさせ、忠誠を誓わせた。王妃は盛大な葬儀のあとに、この棺に納められたとのことです。
イネス・デ・カストロの棺を支えているのは、殺害を実行した3人の刺客の上半身。
棺の周囲に彫られてるのはキリストの誕生から復活までを表したもので、
頭の周囲には6人の天使、そして足元には忠実な犬が見守っています。
ポルトガルの彫刻の最高傑作だとされています。
下の部分は最後の審判です。↓
右端が切れてしまったのですが天上で魂の別離を眺めるペドロとイネスだそうです↓
あの左上の窓↑から見ると下の写真↓ようになっているのが見えるそうです。
この写真は、「旅名人ブックス」から拝借しました。
ふたつの棺はお互い足を向けているのですが、起き上がった時に最初に見るのが最愛の妻の顔であることを
ペドロ1世が強く望みこのような形になったとのことです。
こちらがペドロ1世の棺です。
周囲のレリーフは、聖バルトロメオ(新約聖書に登場するイエスの使徒のひとり)の生涯が描かれているそうです。
棺は6頭のライオンによって支えられています。
こちらも頭部は6人の天使、足元には忠実な犬が見守っています。
これは「人生の車輪」で、イネスへの熱情的愛からhしに至るペドロ1世の生涯を表しているとか。
アルコバッサの修道院、続きます。
(2015年9月22日午前中)
今日はお出かけなので押し逃げですm(__)m
by ma2ma2 (2016-03-19 05:04)
こんな話は古今東西よくある話ですね。
by takenoko (2016-03-19 05:13)
お早うございます、騎馬像にコメントを有難うございました。
時間が余ったので、立ち寄った公園ですが見るところは
たくさん有りました(^_^)v
とても綺麗な修道院ですね、
行って見たくなります。
by tarou (2016-03-19 06:16)
おはようございます。技術と言いますか、ものすごく繊細なつくりですね!一つ一つ丁寧な作業で仕上がっているんだと思っています。すごいですね。^^;
by ソニックマイヅル (2016-03-19 07:08)
天井の高さを感じます。
棺の装飾が細かいですね。
by YAP (2016-03-19 07:12)
1枚目は人が写っているので天井の高さが際立ち迫力が良くわかります^^
素晴らしい彫刻にも驚きです!
by hrd (2016-03-19 07:50)
棺に目を奪われてしまいました。
幸せなお后様ですね。
by garden (2016-03-19 10:47)
いずれの棺も見事な彫刻ですね。
繊細な彫刻が素敵です。
でも、処刑した3人を支えにするってのは・・・どうかな~
悲恋と言えば悲恋ですが、いつの時代にもこういう話はあるんですね。
by ひろし (2016-03-19 10:53)
素晴しいです!とても人間業とは思えない神業の出来映え。
これを目の当たりにしたら固まってしまいそうです!
彫刻の素晴しさに唖然・・・制作現場を見たかった?
by Hide (2016-03-19 11:14)
色が1色でゴテゴテ感がないのがすごく素敵です。
彫刻の技術もこれまた感心しちゃいます。
by コンブ (2016-03-19 11:25)
皆様、こんにちは。
ご訪問、nice!&コメントをありがとうございます。
♪ma2ma2さん
今日はどちらへ?^^
♪takenokoさん
そう言われてみればそうですが(笑)
復讐の仕方が日本とは違うように思いました。
♪tarouさん
それは時間も有効に使えて
ラッキーでしたね^^
国王がキリスト教徒なのでそうなるのだと思いますが
当時の国政に対するキリスト教の影響力の強さを感じますね。
♪ソニックマイヅルさん
この棺は、ポルトガル・ゴシック芸術の最高傑作のひとつと
言われているそうですが、素晴らしい彫刻でしたよ!
♪YAPさん
この高い天井は当時の建築技術の高さを感じますね。
棺の装飾は凄い!のひと言です。
by kuwachan (2016-03-19 14:39)
♪hrdさん
こういうところは人が写っていた方が
大きさとか高さの感覚が掴めますよね。
この彫刻の精巧さには驚かされました。
物語になっているところも凄いです。
♪gardenさん
この棺には目を奪われますよね!
最後には名誉を回復してもらって
ホッとしていたかもしれないですね。
♪ひろしさん
これだけ繊細な彫刻はこの時代だから
作ることができたものかもしれないですね。
>3人を支え・・・
その辺が日本人の感覚とは違うところじゃないかなと思いませんか?
悲恋と言っても最初は違いますからね・・^^
♪Hideさん
当時の最高傑作と言われるだけのことはありますね!
この細かさにはただ、ただ、圧倒されるって感じでした。
今だったら、制作現場のビデオとかありそうですよね。
♪コンブさん
質素や簡素をうたっている会派らしい教会堂ですし
棺も棺らしいって感じがしますね。
より一層彫刻の美しさが映えるように思います。
by kuwachan (2016-03-19 14:39)
凄い迫力ある写真ですね(^^)
by (。・_・。)2k (2016-03-19 14:44)
♪(。・_・。)2kさん
ありがとうございます\(^o^)/
カメラのおかげですね(笑)
by kuwachan (2016-03-19 16:20)
とても見事な細工ですね。
う~ん、でも私だったら、
自分を殺した人間が土台はイヤかな^^;
ちょっと最初の王妃がかわいそうだし。
複雑ですね~。
by ふにゃいの (2016-03-19 16:59)
見事な彫刻ですね
3人の刺客が、日本の五重塔で見る邪鬼のように
見え苦笑しました(^^
by koh925 (2016-03-19 17:00)
棺の彫刻は見事なものですね。
by mamii (2016-03-19 17:10)
ありがとうございます。
あのスミレの花は、枯れ葉をかき分けて
撮ったんです。
by ryuyokaonhachioj (2016-03-19 20:29)
白っぽくて静かな雰囲気。。素敵ですね☆^^
by miyoko (2016-03-19 20:45)
この棺は素晴らしいですね~
ペドロ1世の想いも伝わってくるようです.
でもコンスタンサ妃側からすると何とも...ですね...
by らる (2016-03-19 21:07)
起き上がった時に最初に見るのが最愛の妻の顔・・・なんて深い愛♪
シンプルな修道院と豪華な彫刻を施した棺が対照的ですね。
by ゆきち (2016-03-19 22:06)
棺の彫刻、見事ですね。
やはり、これも、悲恋なんでしょうね。
by テリー (2016-03-19 22:50)
柩の彫刻が見事ですね。
でも悲恋だったんですね。亡くなった人を妃にするなんてスゴイ話だなぁと思いました。
by sheri (2016-03-19 23:04)
こんばんは。1枚目のお写真を見て思わず「広~~い!」と声が出てしまいした。それ以上に二つの棺の存在がすごいですね。彫刻のすばらしさは言うまでもありませんが、実際にこの中に遺体があるのでしょうか?ちょっと怖くなって来ます。
by kick_drive (2016-03-20 22:13)
こんばんは、旧済生館本館にコメントを有難うございました。
次回から、桜の季節になりましたので、
桜をアップしたいと思いますので宜しく願います。
by tarou (2016-03-20 22:47)
皆様、こんばんは。
ご訪問、nice!&コメントをありがとうございます。
♪ふにゃいのさん
素晴らしい彫刻ですよね。
う~、本人の意思というより
ペドロ1世の復讐の気持ちが表れたのでしょうね。
そうなんですよ。正室が浮かばれないですよね。
国と国との結婚だとこんなものなのでしょうか。
♪koh925さん
彫刻は見事のひと言です。
あ~なるほど。そういう見方もあるかもしれないですね。
♪mamiiさん
思わず目を見張るような素晴らしさですよね!
♪ryuyokaonhachiojさん
そうだったのですね。
枯葉に守られたスミレだったのですね^^
♪miyokoさん
神聖な雰囲気が漂っていました。
by kuwachan (2016-03-20 23:39)
♪らるさん
見事な彫刻が施された棺、素晴らしかったです。
ペドロ1世のイネスに対する愛が表されたものだと思うですが
正室の方は早く亡くなってしまったとはいえ、気の毒ですよね。
♪ゆきちさん
教会の内部がシンプルだからこそ
見事な彫刻が施された棺が
より一層際立つように思います。
♪テリーさん
見事というしか言い様がない位ですよね。
う~ん、そうなんですよね。
ポルトガルでは悲恋で通っているそうです。
♪sheriさん
この彫刻をみて見事じゃないという人はいないですよね^^
因みにペドロ1世このあとは誰とも結婚しなかったそうです。
♪kick_driveさん
教会の広さを感じていただけて嬉しいです(*^^)v
そうですね。印象に残る棺でした。
恐らくあるのではないでしょうか。
こういう形のお墓は国王やその家族だけだと思いますが。
♪tarouさん
ご連絡ありがとうございます。
いよいよ、桜のシーズンが始まりますね。
by kuwachan (2016-03-21 00:04)
20mの高さとは、やっぱり広さを感じますね。
しかし、棺にまつわるエピソードが壮絶ですね。
いろいろな悲劇の連鎖なんだなぁという印象を持ちました。
by Hiloyan (2016-03-21 02:06)
ありがとうございます。
テングチョウはきっと寒い時は枯れ葉に潜って
寒さをしのぐのかもね。早く眼にするチョウです。
by ryuyokaonhachioj (2016-03-21 10:06)
♪Hiloyanさん
20メートルですとビルで5~7階らしいです。
人が小さく見えるはずです^^
確かにそうですね。
国王じゃなければここまでのことはできなかったと思いますが
後々の世まで語り継がれるって凄い話です。
♪ ryuyokaonhachioj さん
枯葉に潜って越冬するのですね。
なるほど~。ありがとうございます。
by kuwachan (2016-03-21 11:58)
荘厳なアルコバッサ修道院、
目いっぱい引いても入りきらない外観も驚きましたが、
高さが20メートル以上もある身廊や側廊もまた、
壮観な眺めですね~!
悲恋の棺…ちょっぴりロミジュリみたいなお話ですね。。。
棺に施された細工が素晴らしい。。。
by あおたけ (2016-03-21 19:15)
♪あおたけさん
私のレンズの目いっぱいの広角が24mm、もう少し広角があれば入ったかもしれないです。
高さもインパクトがありました。建物の5階分位がど~んと抜けているわけですから
その広々とした空間を思わず見上げてしまいました。
家、国が絡むとこういうことが起こることがよくあったのかもしれないですね。
by kuwachan (2016-03-22 00:17)