イタリア トスカーナへの旅 ６ （第２日目 オルビエートその４）

ドゥオーモの右翼廊の奥にあるサン・プリツィオの礼拝堂です。

フレスコ画は、ミケランジェロにも影響を与えたと言われているルカ・シニョレッリによるものです。
空間の構成がシスティーナ礼拝堂の天井画と似ているとか。
一応システィーナ礼拝堂には行ったことがあるのですが（笑）

「黙示録」（新約聖書のヨハネの黙示録）からテーマを取って描かれているそうですが、
旅行社から貰った教養ガイドによると
「世界の終わり」をテーマに「最後の審判」とともに「偽キリスト」が描かれているということです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓「善人と悪人の選別」

「最後の審判」は、人間が地獄に落ちている様子が描かれているのでそうだろうというのが分かりますが、
どれが「偽キリスト」に当るのかはどれなのか？？？

↓の絵の上部中央に描かれているキリストは右手を挙げ最後の審判を下しているようですので
これは「偽」ではないように見えます。

15世紀、フィレンツェで狂信的な神権政治を行ったサヴォナローラはメディチ家政権下にあって享楽的な生活を
送っていた人々にそれを戒める説教を行い、メディチ家を追放、また教皇批判をしていたところ
ローマ教皇から破門を言い渡され、それを契機に神権政治は崩壊し、1498年サヴォナローラは火あぶり刑で
処刑されてしまったそうです。

「偽キリスト」はサヴォナローラのことで、画家のシニョレッリは神権政治を許してしまった過ちに対して許しを乞うため
オルビエートのドゥオーモにこのフレスコ画を捧げたということです。

「偽キリスト」はこの天井画のどの人物なのでしょう？

                               　　これ↑？

向きを変えて撮ったものものを貼っておきますね。 

絵ももちろん素晴らしいのですが、個人的には交差ヴォ―ルトまで綺麗に装飾されているところがツボでした^^ 

 

 

 

一方左側の翼廊には、コルボラーレ礼拝堂があり↓


この内部には、このオルビエートのドゥオーモの建設するきっかけとなった「ボルセーナの奇跡」の聖遺物を
収めた聖遺物箱が置かれているはずなのですが、残念ながら礼拝中で入ることができませんでした。

 

「ボルセーナの奇跡」とは、1263年、ローマへ巡礼に向かっていたピエトロという司教は、
ミサの最中に行う儀式の中でも一番重要な儀式、「聖体拝領（キリストの言葉と聖霊の働きによって
何でもない小麦粉の塊であるパンと葡萄酒がキリストの体と血に聖変化する）」に対して
かねがね疑問に思っていたところ、オルビエートの近くのボルセーナという地で開かれたミサにおいて
この儀式を行っている時に、二つに割った聖体のパンから血が滴りおち聖体布を赤く染めたという事件です。

これを知った当時の法王ウルバーノ4世が翌年の1264年、聖体祭を制定（コルプス・ドミニ祭）を制定し
この奇跡の聖体布を納めるためにこのオルビエートのドゥオーモの建設に取りかかったと言われています。

入口から覗いてみたのですが、聖遺物箱らしきものは見えず

 

この礼拝堂の前のモザイクがまた素晴らしかったです。

壁にはフレスコ画が描かれていた痕跡が・・・。

 

 

 

 

出口近くにファブリアーノという画家が描いた「聖母子像」のフレスコ画がありました。 

もう少し近づいてみましょう・・・・
「母子」の部分に使われている金色のモザイクが特徴となっています。

 

（2016年4月21日午前中） 

タグ：海外旅行 イタリア オルビエート ドゥオーモ ルカ・シニョレッリ ボルセーナの奇跡

コメント 30

目が回るぅ、クラクラします。
by hanamura (2016-06-16 06:17) 

礼拝堂のモザイク、パターンがいくつかあるのですね！
でもヨーロッパは写真撮影OKなのが良いですね(^^)
by ma2ma2 (2016-06-16 06:56) 

素晴らしいお写真を拝見しているだけで、その場にいるようです(^.^)
by ぼんさん (2016-06-16 07:32) 

まとめて拝見させて載きました。
まさに内は美術館ですね。見事という他ありません。
トスカーナ地方は街だけでなく田園風景もいいですね。
20年ほど前ドライブしたことがあります。
by Jetstream (2016-06-16 07:41) 

床のモザイクもまた素晴らしいですね。
じっと見ていると、吸い込まれそうです。
by YAP (2016-06-16 08:24) 

おはようございます。天井や壁画、こちらを描くのにはかなりの時間が必要だなと思っています。素晴しいですね。^^;
by ソニックマイヅル (2016-06-16 08:58) 

一度ではボーっとした頭では理解できない感じなので，
何度か見させていただこうと思いました(^^;

by らる (2016-06-16 11:01) 

写真がとても綺麗なので　建物・絵や床の素晴らしさが伝わります＾＾
by みーる (2016-06-16 11:55) 

皆様、こんにちは。
ご訪問、nice!＆コメントをありがとうございます。

♪hanamuraさん
実際見ていても上ばかり見ているので
クラクラしてきます(^^ゞ


♪ma2ma2さん
そうですね。
ヨーロッパはほとんどのところが撮影可能で禁止の方が珍しい位です。
それだからか禁止のマークが付いていても撮っている人が結構います。


♪Jetstreamさん
本当にそんな感じですね。
美術館以上かもしれないです。
ええ、田園風景がとても素晴らしかったです
今回はそれが目的だったので・・・^^
もう暫くしましたら、ご紹介しますのでお楽しみに！


♪YAPさん
床のモザイクも何か意味があるのだと思うのですが
残念ながらそこまではちょっとわかりませんでした。


♪ソニックマイヅルさん
約３００年もの年月をかけて造られたドゥーオモだけあって
全てが素晴らしいですね。


♪らるさん
私もただ見ているだけでは、凄い！ということ位しか分からなくて
説明図みたいのが欲しかったです^^
お時間のある時にでもまた覗いて下さいね。


♪みーるさん
ありがとうございます。
窓から差し込む光が強くて
なかなかうまく撮れず苦労しました(^^ゞ

by kuwachan (2016-06-16 12:56) 

えっと･･･結局、どれが偽キリストなのでしょう？
わかりませんでした(^^；)
床のモザイク、素晴らしいですね。
色のせいなのでしょうが、箱根の寄木細工にも似ているような。
by aloha (2016-06-16 15:26) 

天井画はもちろん修復されているんでしょうがとても綺麗ですね。
モザイクも素敵です。
by こんちゃん (2016-06-16 17:46) 

「ボルセーナの奇跡」ですか、色々な場所で、教会を作るときに、奇跡が起きていますね。
そういう話は、好きなんですが、－－。
by テリー (2016-06-16 19:24) 

こんばんは。フレスコ画があまりにも凄すぎです。一人一人の表情が豊かで色使いもきれいです。とても温かみもありますね。剥がれ落ちてしまったフレスコ画は修復できなかったみたいで残念ですね。
by kick_drive (2016-06-16 21:30) 

壁面の彫刻が素晴らしいですね。
by mamii (2016-06-16 21:52) 

皆様、こんばんは。
ご訪問、nice!＆コメントをありがとうございます。

♪alohaさん
もう一度探してみたのですが、「これ？」でしょうか？
それっぽい人がたくさんいて区別がつきません(^^ゞ
モザイク模様石と木の違いがありますが、似ているかも！


♪こんちゃんさん
フレスコ画はテンペラ画に比べて耐久性がいいとされていますが
それにしても色がとても綺麗だったので恐らく修復していると思います。


♪テリーに
教会や聖堂に「奇跡」は付き物ですよね^^
普通に考えれば信じられないことなので
奇跡なのでしょうね。


♪kick_driveさん
人物の表現が素晴らしいですよね。
ルカ・シニョレッリの傑作のひとつだそうです。
フレスコ画にも色々技法があるので
耐久性のあるものとないものがあるのでしょうね。


♪mamiiさん
ドゥオーモの内部は芸術作品で溢れていました。
素晴らしかったです。

by kuwachan (2016-06-17 00:01) 

教会の内部も全てがキャンバスですね。描くのも大変でしょうね。
by takenoko (2016-06-17 05:10) 

おはようございます！言葉が出ません・・・唖然・・・
by Hide (2016-06-17 07:01) 

しかし素晴らしい作品ですね！
実物を見たら卒倒しそう（笑）
偽キリストは謎ですね？
by またじ (2016-06-17 07:03) 

天井画を描く作業って大変だったでしょうね＾＾
by hrd (2016-06-17 07:33) 

地震についてお気遣いいたたきありがとうございます。
こちらの方は一回目の地震で揺れただけであまり影響がありません。
by mamii (2016-06-17 11:21) 

皆様、こんにちは。
ご訪問、nice!&コメントをありがとうございます。

♪takenokoさん
特にイタリアの教会はそんな感じですね。
壁にもフレスコ画がいっぱいでした。


♪Hideさん
ね、凄いでしょ！


♪またじさん
卒倒まではいかなかもしれませんが
感動して言葉を失うこと請け合いです！＾＾
写真とは別物と思って下さい（笑）


♪hrdさん
そうだと思います。
天井画もそのまま天井に向かって描く方法と
描いてから天井に貼り付ける方法と両方あったようですが・・・。
ここはどうだったのでしょうね・


♪mamiiさん
それはよかったです。
お知らせありがとうございました。

by kuwachan (2016-06-17 12:37) 

ありがとうございます。
今日は、暑い日ですね。夕方に散歩しようかな？
by ryuyokaonhachioj (2016-06-17 15:28) 

最後のヨーロッパ旅行は、ポルトガルにしようと
思っていたのですが、イタリア・トスカーナも
よいかしらって悩んじゃいます。
by garden (2016-06-17 19:24) 

天井画、聖母子像に惹きつけられますが、モザイクも素晴らしい。
時間がいくらでも欲しい感じになりそうですね・・・(^O^)
by ken (2016-06-17 21:31) 

皆様、おはようございます。
ご訪問、nice!＆コメントをありがとうございます。

♪ryuyokaonhachiojさん
昨日は暑くなりましたね。
今日はもっと気温が上がるそうです。
お気を付け下さいね^^


♪gardenさん
えっ、最後って(＠_＠;)
ポルトガルもイタリアのトスカーナも両方行って下さい！
どちらも甲乙つけがたいです！


♪kenさん
そうなんですよ～。
天井画はもう少し時間を掛けて見たかったのですが
やはりそこはツアーでちょっと残念でした(T_T)

by kuwachan (2016-06-18 06:41) 

ローマのシスティーナ礼拝堂の天井画の一部が、私たちだ住んでいる頃の切手でした。芸術の国は違いますね～。
by okko (2016-06-18 18:26) 

確かに、交差ヴォ―ルトまで細やかな装飾がしているのはそれほど多くない気がします。
贅を尽くした内装だと思います。
天井画や壁画の状態が良いですが修復したてでしょうか。とても美しいです。
by kou (2016-06-18 22:01) 

♪okkoさん
へぇ～システィーナの天井画が切手ですか！
使うのが勿体無い感じです。
コレクションしたくなりませんでしたか？＾＾


♪kouさん
そうですよねっ^^
大体交差ヴォ―ルトは白っぽい色で塗られているので
ここまで装飾されているのは珍しいなと思いました。
修復したてかどうかまでは分かりませんでしたが、
保存状態がすごく良い天井画でした。

by kuwachan (2016-06-19 20:34) 

壁に天井。。。
訪れる者の首が痛くさせたるが如く、全面に描かれているんですね
オペラグラスが無いと細かい部分を見落としそう
でも。。。描いた人も首を痛くしたんでしょうかねぇ
by わけん (2016-06-22 21:46) 

♪わけんさん
そうなんですよ～。
壁はまだいいのですが、天井画は首が痛くなるので
一度に見られる時間に限りがあります(^^ゞ
オペラグラスで見ていたらいくら時間があっても足りないかもしれないですよ^^
この天井画は直接天井に描いたのか、それとも後から貼り付けたのか
どちらの方法で描かれたのでしょうかね?＾＾

by kuwachan (2016-06-23 01:19)