イタリア トスカーナへの旅 26 (第4日目 オルチャ渓谷を往く サンタンティモ修道院 後編 ) [海外@伊トスカーナ2016春]
サンタンティモ修道院の続きです。ここはベネディクト派の修道院とのこと。
聖堂の中に入ります。12世紀に建てられたロマネスク様式のものです。
ここも木造の天井でした。
金沢百枝著の「ロマネスク美術革命」によると、イタリアでは初期キリスト教時代の伝統が色濃く残るため
圧倒的に木造天井が多いそうです。
スペイン北部のカタルーニャ地方や、フランスのブルゴーニュ地方、イタリア北部のロンバルディア地方では
比較的早い時期から石造天井が造られていたそうですが、イタリア中南部では敢えて石造天井を造らなかったとの
記載があるので、特別な事情があったのかもしれないです。
ゴシックの聖堂は交差ヴォ―ルトやフライングバッドレスなどの技術的革新によって石造天井となっているので、
ロマネスクの時期は、木造天井から石造天井への移行の時期だったようです。
丸い半円のアーチが、ロマネスクの特徴でもあります。
窓がゴシックに比べて小さいは大きくすると壁面の強度が弱まるためです。