芸術の秋・・・フェルメール展&大琳派展@上野公園 [美術鑑賞]
七五三だった15日の土曜日の午後、東京の上野公園で開催されている二つの展覧会に行ってきました。
16日までの会期の大琳派展は、お尻に火がついた状態でして、会期末の週末そして今なら4つの「風神雷神」が
鑑賞できるということで40分待。
フェルメール展も40分待ということを公園の入り口でチケットを購入する時に聞かされ、迷った挙句、
閉館時間が早いフェルメール展の方へ先に行くことにして、上野公園内を歩くと木々が色づき始めていました。
フェルメール展は開催前から、関西在住のブロガーであるmayukwさんから必ず鑑賞に行くようにとの指令が
でていて、開催直後に大琳派展の前に国立博物館で開催されていた「対決-巨匠たちの日本美術」とセットで
鑑賞しようと思っていたのですが、私のお目当ての長谷川等伯の「松林図」の公開が既に終わった後だったために
出鼻を挫かれてしまい、それじゃ暑い夏を避けてと思っていたらズルズルと今に至ってしまったわけなのですが、
こちらも会期が来月14日となったので少し焦りが出てきた状態でした。
まずフェルメール展からご紹介しましょう。
40分待ちということで覚悟はしていましたが、すごい人でした。
今回は日本初公開5点を含む7点が来日。右の上の6点と特別出品のアイルランドの美術館の所蔵品である
「手紙を書く婦人と召使」でした。今回フェルメールの他にも、彼の出身地であるオランダのデルフトの画家の絵画が
展示されていて(↑右の一番下)、合計38点でした。デルフトの画家たちによって描かれている教会などの建物や
運河は現存していて、絵画と現在の写真が並べて展示されていました。こんなのを見てしまうと現地に
行きたくなってしまいます。
フェルメールの絵画の中でも珍しい風景画のうち現存しているのは2点で、そのうちの1点が今回来日した「小路」。
やはり土曜日ということもあって入場制限をしているにもかかわらず、会場内は混雑していて、なかなか絵の前まで
行くことができず、人と人の間から覗き見る様な感じで鑑賞。そのような鑑賞でも絵画から強く感じられたのは、
「光」そして「透明感」でした。フェルメールは「光の天才画家」と言われているそうですが、まさしくそうでした。
あまり絵に詳しくないので間違っているかもしれませんが、一般的に油彩画(油絵)と聞くと日本画や水彩画に
比べて重い感じがしていたのですが、フェルメールの絵画にはそのような重さが感じられませんでした。
それはフェルメール以外のデルフトの画家たちにも言えることで、それが遠近法や光の描写を駆使して描く
「デルフト・スタイル」といわれるものの特徴なのかもしれません。
フェルメールの絵画は描かれているもの一つ一つに大変重要な意味が隠されているそうなのですが、
今回絵画とは別にその部分の簡単な説明が展示されていて、分かり易くてよかったです。
近年、真作として認定されて話題になった「ヴァージナルの前に座る若い女」の絵は思ったよりも小さいサイズで、
思わず「小さい!」と声が出てしまう程でしたが、照明の効果なのでしょうかイエローのショールが金色に輝いて
見えました。個人の方が所蔵しているとのことで今回鑑賞できたのはとてもラッキーでした。
最高傑作と名高い「絵画芸術」は残念ながら来日が叶いませんでしたが、この絵を所蔵しているのは
私がウィーンで行き損ねた「ウィーン美術史美術館」。やはり現地に行かなくてはなりませんね(笑)
そして、次は琳派展を開催している国立博物館へと足を向けました。天気予報よりも少し早く雨が降り出してきました。
遅い時間であればすんなりと入れるかと思ったのですが、会期終了が翌日ということもあって、まだ列はありました。
さすがに40分待ちということはなく、10分から15分程度かな?で会場に入場。
並んでいる時に見えた色づき始めた木々の紅葉です。↑
しかし会場に入るとフェルメール展程ではないにしてもかなりの混雑状況でした。
琳派は京都の鷹峯に芸術村を開いたことで知られる本阿弥光悦~俵屋宗達そして尾形光琳。
尾形乾山~酒井抱一~鈴木其一と受け継がれていき、絵画だけでなく、書跡、工芸、装丁などなど、
様々な芸術作品が生み出されました。
この展覧会は光琳の生誕350年記念のものでしたが、私自身としては全体を通して、本阿弥光悦が書はもちろん
のこと、茶碗、蒔絵など芸術的分野全般に渡って才能に溢れる人だったということを改めて強く感じました。
光悦の屋敷跡は現在光悦寺となっていますが、学生の頃に母と一緒に光悦寺を訪れた時に、
丁度お寺の蔵の特別展を開催していて、素晴らしい作品の数々を見た覚えがあるのですが、
その時に見たものがこの展覧会に展示されていたのかもしれません。
「風神雷神図」は俵屋宗達によって江戸時代初期に屏風に描かれ、その後尾形光琳が、そして酒井抱一、
鈴木其一と描き継がれてきましたが、その4作品が今回初めて一堂に会するということで楽しみでした。
以前京都の国立博物館で俵屋宗達のは見たことがあったのですが、比べてみると、同じ題材でも描く人によって
変ってきます。それぞれ個性もありますし、好みもあると思いますが、やっぱり私はダントツ俵屋宗達ですね。
鈴木其一の襖絵があえてバックを金箔にせず、墨絵のような墨色の濃淡にしているところが印象的でした。
会期の前半では尾形光琳の国宝の「燕子花図屏風」が展示されていたようですが(残念!)、代わりといったら
失礼ですが酒井抱一の筆による「燕子花図屏風」が展示されていました。
「大琳派展」という名の通りかなりの点数が展示されていおり、余りにも多くて疲れも出て、
中盤からは休み休み鑑賞。無理もないですね。実は、この2つの展覧会を見る前には、
浅草で平成中村座の「法界坊」を観劇していました^^。
少しどころではない欲張り過ぎな芸術の秋の一日を過ごし、へとへとになって帰宅したのでした。
(2008年11月15日)
ぜひウィーンで(*^。^*)楽しい美術館巡りをなさってください☆彡
by 甘党大王 (2008-11-18 03:06)
こんにちは
いいなあー
「大琳派展」
ちょうどそのころ関西で開かれている美術館へ行くとあちこちで
「大琳派展」のチラシ、ポスターが飾られていました。
東京か・・・とがっくりしていました。
私も「俵屋宗達」に1票です。
by mituki (2008-11-18 09:38)
おぉ~ 特派員さん レポートありがとう( ̄人 ̄)
40分待ちくらいなら カルイもんやんか~
USJでも ディズニーランドでも それくらいなら早いほう(笑)
天王寺の美術館でフェルメール展あったときは
2時間待ちくらいやったらしいよ。
ポスター見るだけでも ヨダレ出そう…
行きたいよぉ~~
今日を最後に これから年末までまた大忙しです。
がんばるわっ
by mayukw (2008-11-18 12:11)
♪xml_xslさん
nice! ありがとうございます。
by kuwachan (2008-11-18 12:58)
♪甘党大王さん
夜遅い時間にというか朝超早い時間にというか
深夜のご訪問ありがとうございます。
ウィーンはもう一度は行きたい場所です。
by kuwachan (2008-11-18 12:59)
♪yamagatnさん
nice! ありがとうございます。
by kuwachan (2008-11-18 12:59)
♪うさこさん
nice!いっぱいありがとうございます。
by kuwachan (2008-11-18 13:01)
♪takemovies さん
nice! ありがとうございます。
by kuwachan (2008-11-18 13:01)
♪mitukiさん
やはり東京は恵まれていますよね。
フェルメール展で並んでいる時の後ろのカップルは
関西からフェルメール展のために上京してきたようでした。
ヨーロッパに行くよりは安いからって。
まあ確かにそうですが、すごいなぁって思いました。
「大琳派展」は掛け持ちで行くには展示されているものが
多くて記事にも書きましたが疲れてしまいました。
by kuwachan (2008-11-18 13:02)
♪まゆさん
お待たせしました!
私が書けるレポはこんなもので(^^ゞ
雰囲気は伝わったでしょうか。
確かに40分は狩野永徳よりはマシだったのですが
中の混雑度合いが尋常ではなかったです。
週末だから仕方がないのかな。
これからまた学校通いの日々ですか?
体に気をつけて頑張ってね!
by kuwachan (2008-11-18 13:02)
♪西尾征紀さん
初めまして。
nice! ありがとうございます。
by kuwachan (2008-11-18 13:04)
こんにちは。
40分待ちというのに驚いてしまいました。
え!!観劇の後に絵画鑑賞ですか...。
良い時間を過ごされましたね、私も見習わなくちゃ(^^)
by wine (2008-11-18 13:22)
すごい!!
恐れ入りました。
サービス精神満載の「法界坊」観ただけで疲れ切ってました。
あの後、混雑激しい美術館めぐりをしようなとどは、とてもとても、
思いもよりませんでした。尊敬しちゃいます。
出光で3つの風神雷神図の展覧会を観ました。
やはり俵屋宗達の空間の取り方や緊張感に感嘆しました。
私も長谷川等伯の松林図が大好きです。
同じ出光に松林図が出展されたとき、、
ゆっくりと座ってじっくり堪能したことを思い出しました。
でも東博の高い天井のだだっ広いスペースでみるのも捨てがたいです。
あくまでも空いていることが前提ですが。
by 茶々 (2008-11-18 13:48)
40分待ち!
私が行った時はすんなり入れて、個々の絵も真正面からゆっくり見ることができました。時期が良かったのでしょうか。
“ヴァージナルの前に座る若い女”本当に小さくて緻密で素晴らしかったですね。
“小路”思ったいたより鮮やかでした。3回戻って正面からじっくり目に焼き付けてきました。
その他のデルフトの画家、それぞれ見ごたえありましたね。
展示配列もよかったですね、せめて雰囲気を伝える程度の写真でも撮れるとよいのですが、残念です。
by emu310 (2008-11-18 18:56)
フェルメール 見たい見たいのです!
でも遠いのです、いけないのです・・・・
まあ、オランダよりは近いですけど・・・・
いいなあ、生の目でみてみたいっすなあ・・・・
by yamagatn (2008-11-18 20:06)
お疲れ様でした。
大琳派展、行きましたよ。開館前から並んじゃいました(笑)。
中村座まで行かれたとは、感服です。どっぷり芸術の秋ですね。
by 氷白蓮 (2008-11-18 20:25)
フェルメールは9月に横浜に帰った時に行きましたよ。雨の日だったせいか、思ったより混んでなくてじっくり見れました。
光の表現が見事!!!!、でしたね。
by R-Month (2008-11-18 23:10)
皆さん、こんばんは。
ご訪問、nice!&コメントありがとうございますm(__)m
♪wine さん
週末で会期末ともなると、人気のある展覧会は
入場制限がかかってしまうんですよ。
昨年、京都の国立博物館の狩野永徳展では
確か平日の夕方にもかかわらず90分待という表示で、
実際には1時間ちょっとで入れましたが、それに比べれば
楽勝でした。
by kuwachan (2008-11-18 23:30)
♪茶々さん
タダの出不精ってことです(笑)
当初の予定では前の週に展覧会だけ行く予定していたのですが
用事ができて行けなくなってしまったのです。
等伯の「松林図」、茶々さんもお気に入りなんですね。
私も出光にも行きましたよ。その前に国立博物館でも見ました。
何度見てもいいですね。
いつか、七尾にも行ってみたいと思っています(笑)
by kuwachan (2008-11-18 23:34)
♪emu310さん
10月中に行っておくべきでした(T_T)
やっと会場には入れても、最初の絵で既に渋滞状態でした。
係りの人は、「どこから観ても大丈夫です」と言うものの
一度進んでしまうと後戻りが出来ないほどの人でした。
私もその1人なので仕方がありませんが、ちょっと残念でしたね。
ゆっくりと鑑賞できたemu310さんが羨ましいです。
出品点数も丁度いい感じだと思いました。
そういえば「ワイングラスを持つ娘」の頬がほんのりと紅潮した
その眼差しも、印象的でした
一度に7点ものフェルメールを鑑賞する機会はもうないかもしれませんね。
ヨーロッパの美術館だったらフラッシュ無しで撮影OKかも?
by kuwachan (2008-11-18 23:37)
♪yamagatnさん
yamagatnさんもフェルメールのファンなんですね。
生で観たらより一層その魅力にやられてしまうと思います。
でも、簡単に観に行ける距離ではないですよね。本当に。
私の拙いレポで、少しはその雰囲気を感じて頂けたでしょうか?
by kuwachan (2008-11-18 23:38)
♪氷白蓮さん
開館前から並ばれたんですか?流石です。
でも、その方が絶対にゆっくり鑑賞できますよね。
週末、会期末はそれに限ります。
はい、土曜日は丸一日、芸術dayでした。
たまにはこんな日があってもいいでしょう(笑)
by kuwachan (2008-11-18 23:41)
♪shin さん
nice! ありがとうございます。
by kuwachan (2008-11-18 23:50)
♪R-Monthさん
おぉ、素晴らしい!9月ですか。
ちゃんとチェックしていらっしゃるんですねぇ。
まだ・・やっていると思うとダメですね(笑)
絵の前に佇んで鑑賞したかったです。
by kuwachan (2008-11-18 23:56)
♪yukitanさん
♪デザイン屋さん
nice! ありがとうございます。
by kuwachan (2008-11-19 23:07)
♪miopapaさん
nice! ありがとうございます。
by kuwachan (2008-11-21 01:51)
♪マロンさん
はじめまして
ご訪問&nice! ありがとうございました。
by kuwachan (2008-11-22 07:40)