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フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展 [美術鑑賞]

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映画「真珠の耳飾りの少女」を鑑賞した後は、同じ建物の地下1階で開催されている展覧会へ。

ドイツのフランクフルトにあるシュテーデル美術館が所蔵している17世紀(その当時オランダは

スペインから海の覇権を奪い最盛期を迎えていました。)のフランドル絵画とオランダ絵画のコレクションです。

行列こそなかったものの場内ではそれぞれの絵の前で少し人垣ができ、一番前に見るには

少し待つ程度の状態でした。今回の展覧会にやって来たフェルメールの絵はこの「地理学者」1枚だけ。

でも行きたいと思いましたし、とっても楽しみでした。私と同じように考えた人がほとんどではなかったでしょうか。

1枚だけでこれだけの人を集めてしまうフェルメール、日本での人気の凄さが伺えました。

フェメールの作品は30数点しかないといわれていますが、そのうち男性が中心のものは2点で

この《地理学者》とルーヴル美術館にある《天文学者》・・ルーヴルで見た覚えがありません(汗)・・の2点だけだそうです

今回も音声ガイドを借りました。展覧会によって色々な方がナレーションをしているのも興味深いです。
今回は佐々木蔵之介さん、~なぞの画商がご案内~ということで、ちょっと芝居がかった感じでした。

 

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展覧会の構成は、


1.歴史と寓意画


2.肖像画


3.風俗画と室内画


4.静物画


5.地誌と風景画

の5つからなっていました。

注目のフェルメールは

3番目の風俗画と室内画

のコーナーに展示されて

いました。












気になったもの数点の絵葉書を買って帰りました。

『歴史画と寓意画』から

↑チラシの上の写真の上部左の絵は、レンブラントの「サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ」で、
サウル王が自分の部下であるダヴィデが戦争で手柄をたてため嫉妬し、竪琴を弾いている
ダヴィデを
いま正に槍で突こうという瞬間を描いたものです。その表情が凄かったです。
まるでスポットライトのように、サウル王に光が当たっていますね。

その右は、「竪琴を弾くダヴィデ王」ルーベンスとヤン・ブックホルストの共同制作です。
ルーベンスは画家であり、外交官でもあり非常に教養があった人だったために忙しく
実際にルーベンスが描いたのは頭と肩のみだったとのことです。
他の絵にも繰り返し出てくるとか。

↓は、「ねずみのダンス」
当時の風刺画で、日本でいうところの「姑の留守は嫁祭り」と同じ意味だそうです。
民族も風習も全く違うのに東洋も西洋もお嫁さんの悩みは同じだったのでしょうか。面白いですね。
元々この絵画は大きなもので、ネズミの向こうに見えるのはイルカの頭を模ったテーブルの脚だそうです。
何枚かに分割された1枚です。ネズミが手をつないで輪になっている様子がとてもユーモラスです。

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肖像画にもレンブラントの絵が一枚展示されていましたが、「光と影の魔術師」と言われているだけあって
他の絵と比べると明るさが違いが感じられました。

そして、フェルメールの「地理学者」。左からの窓の光がフェルメールらしく、まるで写真のようです。

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もちろん展示は特別のコーナーになっていて、詳しい説明もされていました。
この絵が描かれた当時はオランダの大航海時代で、その繁栄がぎっしりと詰め込まれています。

・戸棚の上にある地球儀・・・アムステルダムの代表的な地図製作者、ホンディウス家により制作されたもので
オランダの重要な商圏であったインド洋が向けられています。

・壁の地図・・・東インド会社の公認地図製作者であるブラウ家により17世紀の初期に発行された「ヨーロッパ海図」。

・着衣・・・「ヤポンス・ロック(日本の着衣)」と呼ばれて、当時裕福な市民階級で流行したもの。
日本の着物がオランダで流行っていたとは初めて知りました。

・コンパスと定規、地図製作者の基本的な仕事道具。セット販売もあったとのこと。

・デルフト焼き(壁の一番の下の部分に並べられている)デルフト焼き(青い絵付けのタイル)は
そういえば、映画「真珠の耳飾りの少女」の主人公グリートのお父さんの職業がタイル職人でした。

・手前の織物はゴブラン織り
当時、貴重な工芸品として高価に取引されていました。
細かい柄まで描かれて素晴らしいですが、見事な織物ですね。

この地理学者は、フェルメールの死後、彼の作品の管財人にもなった人だったそうです。


当時は、静物画を飾ることが上流階級のステータスシンボルだったとか。

↑のチラシにもお花の絵がありますが、実際には同じ時期に咲かないお花が一緒に描かれており、
当時は架空のもので人生の儚さや虚しさを表現していました。

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フェルメールがいた当時、デルフトには東インド会社の倉庫があり、とても豊かな町だったそうです。
また、町には新旧両方の教会があり、フェルメールは新教徒でしたが結婚後旧教徒となり、死後遺体は
この旧教会に埋葬されました。

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似たような展覧会を見たことがあるな?と思って記事を探してみるとやっぱり^^
ウィーン美術史美術館の静物画展でした→
http://fumi-kuwachan.blog.so-net.ne.jp/2008-08-24

フェルメールはその死後すっかり忘れ去られていたところ、1866年 フランス人の評論家 トレ・ビュルガーの論文によって
再び脚光を浴びることになりました。

他人の作品を滅多に褒めることが無かったダリも、「もし明日死ぬことになって一枚絵を持ち出すとしたら?」
(ちょっとうろ覚えなんですが、質問の内容だったと思います・^^;)フェルメールの「絵画芸術」
と答えたそうです。
「絵画芸術」は
こちらhttp://fumi-kuwachan.blog.so-net.ne.jp/2010-02-26 
またゴッホも、フェルメールの青、パールグレー、レモンイエローそして黒、白を絶賛していました。

今年の年末には同じ文化村でフェルメールの絵が3枚公開される予定ですので、またその展覧会も楽しみです。

ゴッホ展ではやり忘れてしまったジグソーパズルのガチャガチャですが、1個300円なので、
今回、「真珠の耳飾りの少女」狙いでやってみたのですが、見事にハズレました(>_<) 
出てきたのは
「真珠の首飾りの女」でした。「デルフトの眺望」もよさそうです^^
フェルメール好きはトライしてみると面白いかもしれません。

(2011年3月20日)


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コメント 38

ふうた〜ん

すてきね~癒されるね。

わたしはダリとエッシャーが好き。
[絵画芸術] すごいいい。
心はウイーンに。
by ふうた〜ん (2011-03-26 03:12) 

ameya

こちらの美術展も面白そうですね。
フェルメールの絵は僕もほとんど現物を見たことないです。
フェルメールの絵を見るいい機会ですね
by ameya (2011-03-26 07:09) 

ぷーちゃん

久しぶりに
美術館行って
癒されなきゃね。
by ぷーちゃん (2011-03-26 09:07) 

miyoko

ルーヴル美術館いったけど、やはり《天文学者》
おぼえていません(フェルメール好きなのに^^;)
「ねずみのダンス」に癒されます~♪楽しそう♪
お花の静物画も、いいですね^^
by miyoko (2011-03-26 09:10) 

テリー

ルーブルは、何回か行って、写真撮影していますので、探せば、出てくると思います。
一枚の絵にこんなに沢山の人が集まるとは、驚きですね。
by テリー (2011-03-26 10:42) 

alo-had

光の魔術師。w w
陰影と窓からの光の射し方が印象的ですよね。
たまにどこからの光?的な表現もある素晴らしい画家。
落ち着きますよね。やっぱ。w
by alo-had (2011-03-26 11:33) 

ふじかわ

しっかりと本物を自分の目で見たいですねぇw
by ふじかわ (2011-03-26 15:56) 

ryon

いいですね~
by ryon (2011-03-26 18:38) 

kuwachan

♪ふうた~んさん
展覧会は余裕がないとなかなか足が運べませんが
足を踏み入れると日常を忘れさせてくれる空間です。
独創的な作品がお好きなんですね^^
「絵画芸術」は2008年に来日する予定だったのですが
損傷の恐れありで中止になった経緯があるので
もう日本で見ることは無理かもしれません。
by kuwachan (2011-03-26 21:19) 

kuwachan

♪ameyaさん
フェルメールは作品の数が少ないですからね。
今年はこの展覧会と年末にも見られます。
是非是非です・・・。
by kuwachan (2011-03-26 21:20) 

kuwachan

♪ぷーちゃんさん
私の場合、久しぶりとは言えないかもしれないけれど(笑)
いろいろなことが次々と起こるので、できる時にできる事を
しておきたいなと思う今日この頃です。
by kuwachan (2011-03-26 21:22) 

kuwachan

♪miyokoさん
ルーヴルにはたくさん作品があるので、miyokoさんがいらした時には
展示されていなかったかもしれませんし、貸し出し中だったかもしれませんね。
ねずみのダンス、異色で面白いですよね^^
by kuwachan (2011-03-26 21:25) 

kuwachan

♪テリーさん
ルーヴルは何回か行かないと制覇は難しいですよね。
あちらの美術館は写真撮影ができるのが嬉しいです。
フェルメールの人気は凄いです。
私も好きなので人のことは言えませんが(笑)
by kuwachan (2011-03-26 21:26) 

kuwachan

♪alo-hadさん
フェルメールの光の射し方は独特ですね。
そこが人気の秘密でもあると思いますが。
絵全体の雰囲気とか、色彩もいいですよね~。
好きです☆
by kuwachan (2011-03-26 21:31) 

kuwachan

♪ふじかわさん
機会があればそれに越したことはないと思います。
by kuwachan (2011-03-26 21:31) 

kuwachan

♪ryonさん
ええ、やっぱりいいですねぇ~^^
by kuwachan (2011-03-26 21:32) 

りゅう

私のフェルメール鑑賞は、
この作品が12点目(※アノ疑惑の1点を含む)となります。
今月はドタバタしていてもう無理なので、
来月観に行けたらいいなぁと思っています。
というか、このような状況下ですので、
とりあえず観に行けたらそれでいいです。
混雑してても会期末でも。。。(^_^;)
by りゅう (2011-03-26 21:46) 

emu310

素晴らしい記事になりましたね。
「ねずみのダンス」“何枚かに分割された”どんな絵だったんでしょう。気になりますね。
「地理学者」小気味好い解説が嬉しいです。このまんま家内に伝えさせていただきます。
リンク先、たどってきました。行きたかったウィーンの様子が目の毒でした。
ウィーン、この地震騒ぎで断念しました。
原発があっさり解決したら再挑戦するつもりです。

田園調布駅、乗換えで二回、孫と歩きました。改札から外も覗きました。浦島太郎でした。
by emu310 (2011-03-26 21:59) 

こうちゃん

以前、TVでフェルメールの謎という
番組を見たことがあるんですが・・・
by こうちゃん (2011-03-26 22:18) 

kuwachan

♪りゅうさん
私も数えてみました。10点でした。
アノ疑惑の1点って?最近、真作と認められた作品でしょうか?
だとすれば私も含みます(^^ゞ
こんなことになってしまったので、私も映画がなければ来月以降だったでしょう。
今回は1点だけですから2008年のフェルメール展のような混雑はないと思いますよ、たぶん。
by kuwachan (2011-03-26 23:37) 

kuwachan

♪emu310さん
そうですか。なかなか上手く纏まらなかったので嬉しいです。
ありがとうございます。
今回は全部で95点の展示でしたが、ご紹介したのは
印象に残ってハガキを買ったほんの一部だけです。
あと風景画がたくさんありました。
≪地理学者≫は、会場のパネルでも無料のパンフレットに
もっと詳しい説明があります。特別扱いですね^^
ご旅行をとっても楽しみにされていたのに、こんなことになるなんて・・。
本当にあっさりと解決してくれるといいのですが、そう期待するしかないですね。

田園調布駅、すっかり変わって驚かれたと思います。
改札からもチラッと見えたと思いますが、旧駅舎の建物だけは残っています。
by kuwachan (2011-03-26 23:41) 

kuwachan

♪こうちゃんさん
残念ながら私は見ていません。
それで・・いかがでした?^^
by kuwachan (2011-03-26 23:42) 

まる

「地理学者」はやはり男性2作品のうちの一枚だし、
なかなかのイケメンさんだから、集客も抜群なのでしょう^^
by まる (2011-03-27 00:51) 

シラネアオイ

おはようございます。昨日は久々の釣行疲れてしまいました。あの大きな地震の後余り釣れませんでした。
美術館暫く行っていません、何処かゆっくり見に行きたいです!!
by シラネアオイ (2011-03-27 07:03) 

hieroh66

フェルメール展、名古屋に来たら見たいと思います
by hieroh66 (2011-03-27 10:00) 

雅

ご無沙汰しておりました。ご心配をおかけしてた様で、申し訳ありませんm(_ _)m
自分はいたって元気なのですが、やる気が完全にどっか行っちゃってました(笑)
フェルメール、来てるんですか。GWに横浜帰った時行ってこようかなー。でも、むちゃくちゃ混んでそうですね。
by (2011-03-27 18:56) 

koh925

絵画、芸術作品に造形が深いのですね
国内はもとより外国に行っても楽しみが倍加します
私は目が悪いので、展示品の前にある説明文が
小さくて読めません、仕方がないのですが残念に
思う事も多いです!
by koh925 (2011-03-27 21:05) 

リュカ

うー・・・・
この展覧会、観る予定は無かったのですが・・・・
この記事読んだら、やっぱり行きたくなっちゃったです(笑)
by リュカ (2011-03-27 21:44) 

kuwachan

♪まるさん
なるほど~そうですね(^_-)-☆
フェルメールは作品の数が少ないということも
あると思います。
by kuwachan (2011-03-27 23:59) 

kuwachan

♪シラネアオイさん
こんばんは。
お魚さんたちも驚いてどこか移動してしまったのでしょうか。
久しぶりに行かれたのに残念でしたね。
by kuwachan (2011-03-28 00:00) 

kuwachan

♪hieroh66さん
東京の後、6月の中旬頃から豊田市ですね。
どうぞお楽しみに。
by kuwachan (2011-03-28 00:01) 

kuwachan

♪雅さん
お顔が見えないので心配しておりました。
PC壊れていないハズなのにって^^
フェルメール来ていますよ~1枚だけですけど。
渋谷までいらっしゃることがあれば、滅多にない機会ですから
お勧めしますが、多分りゅうさんが行かれますので、
そのレビューで済ませるという手もあるでしょう(笑)
GWはどうかわかりませんが、今は開館時間が短縮されていますので
行かれる際は要チェックです。
by kuwachan (2011-03-28 00:02) 

kuwachan

♪koh925さん
いえいえい造形が深いなんて・・お恥ずかしいです(^^ゞ
チラシ(最近はフライヤーかな)の受け売りや
イヤホンガイドを聞きながら絵を観た感想です。
イヤホンガイドはどの展覧会でもあるわけでなく
また全作品ではありませんが、聞くと時代背景とか
見るポイントを教えてくれるので、鑑賞が楽しくなります。
海外でも大きな美術館では日本語があります。
by kuwachan (2011-03-28 00:08) 

kuwachan

♪リュカさん
えっ、それは興味を持って下さったということですよね。
嬉しいです(*^_^*)
他にたくさん予定されている展覧会があると思いますので
お時間があればいらしてみて下さいね。
お隣のレストランでは記念のランチとかもありましたよ(^_-)-☆
by kuwachan (2011-03-28 00:09) 

ake_i

内容の濃いブログですね^^
こういった世の中でも個人個人はそれぞれの生活をするべきだと思いますもの。
絵画を鑑賞していると私は背景に音も聞こえます(笑)
奈良の世界遺産となっている建造物を観ていてもそうです><
東京でヨーロッパの絵画展を開催し沢山の方が訪れることが出来るのもとても幸せなことですね。
ねずみのダンス・・・これ、好き(^-^)
by ake_i (2011-03-28 09:19) 

kuwachan

♪ake_iさん
さすがにその前の週は行く気にはならなかったのですが
欲望を断ち切ることだできず、行ってきてしまいました(^^ゞ
このように行けるなんて本当に幸せなことですよね。
やはりake_iさんと音楽とは切り離すことができませんね。
ねずみのダンスではどんな音楽が聞こえてきましたか?
ポルカとかワルツでしょうか^^
by kuwachan (2011-03-28 23:34) 

pi

私も3月の最終週末に行ってきました。
時間短縮になったのもあり、混んでました。
地球儀もありましたね。
by pi (2011-04-02 16:27) 

kuwachan

♪piさん
3月の週末で混雑していましたか。
今週からは電車も通常通り近くなるので
美術館も通常に戻るかもしれませんね。
by kuwachan (2011-04-03 07:37) 

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