ブルゴーニュ ロマネスクの旅 Ⅻ (ヴェズレー②) [海外@ブルゴーニュ2011]
さてさて、聖堂の身廊です。
聖堂の内部のアーチは2色の石を交互に並べた縞模様になっていて、白っぽいのですっきりと明るい感じです。
身廊には両側にずらりと並んだ柱に彫刻が施されています。圧巻です。
柱頭の彫刻は前回の玄関間とこの身廊とあわせてガイドブックに載っている番号だけで90あり、
タイトルがついていないものあるので、実際にはそれ以上あったと思います。
↑ご覧のように柱頭の彫刻はかなり高いところにあり、ずっと見上げていたので首がかなり疲れました(^^ゞ
距離もあり、内部の明るさも十分とはいえないので、私のコンデジではボケボケ写真を大量に産出してしまいまして、
最初のうちはまだ元気があったので何枚も取り直していたのですが、最後の方はへとへとでだんだんといい加減に
なってしまった次第です(>_<)
その中でも、まぁ、見られるかなというのをアップしますので、ご覧いただければと思います。
ブログをやっていなければ、画像は撮りっぱなしで整理せずたぶんそのままお蔵入りだった可能性大です(笑)
ガイドブックの説明書きと写真を撮った順番とをにらめっこしながら、聖書のサイトも覗いたりして
つき合わせてみました。
内陣に向かって右側、南側の題名と写真がマッチしたと思われる^^;ものからご紹介します。
どれも表情がとってもユニークですし、見ていて色々あってホント楽しいです。
細かいところまで丁寧に彫刻がなされていて、凄いというか、もう素晴らしいですね。
もともとここは修道院の聖堂であるため、修道士たちを脅し戒めるような主題が多いそうです。
39 神秘の粉挽き ・・・この聖堂の中でもっとも優れた彫刻であるとガイドブックに書いてありました。
短い丈の作業用チュニックを着た人が粉挽きに穀物小麦を流し込んでいる。一方で、半分禿げた作業の準備が整っているもうひとりが
小麦粉を受け取っている。
これはこのように認識すべきです。左側の人は預言者モーゼ;粉挽きに入れる穀物小麦はシナイ山で受け取った旧約聖書の法(モーゼの十戒?);穀物と小麦を受け入れる粉挽きはキリスト(十字架がつけられた車輪) 、小麦粉を受け取る人は12使徒の聖パウロ;
粉挽きされた小麦粉は、キリストの新しい法;モーゼ五書は真実であるが、曖昧な真実を含んでいて、粒の中の小麦粉のように隠れている;
十字架の上でのキリストの犠牲と彼の復活によって、小麦粉(キリストの新しい法)はすぐに取り入れられ、
理解される小麦粉「福音書の新しい法」となった。聖パウロは、津々浦々に布教するためこの「新しい法」のよいニュースを受け取った。
この彫刻にはこんな深い意味が隠されていると書いてありました。このひとつの彫刻で凄いです。感嘆!
神学的な深さや様式の美しさから、玄関の間にあったタンパンの製作者と同じ人か同じ人たちが彫刻したと推測されているそうです。
48 悪夢の怪物の上に乗った男と牛の体を持った王冠を頂いた女性との間黙示録的な戦い
恐らく「すべての淫婦と地の憎むべきものとの母、大バビロン。」の処罰のことらしい (ヨハネの黙示録第17章 4-5、第20章 2)?
44 Luxury and Despair 「贅沢と絶望」?・・・写真が間違っていました訂正します
女性(彼女の腹部を齧っている蛇)によって象徴される“贅沢”。“絶望”(髪の毛が燃え立った悪魔が、剣で"ハラキリ”(切腹)をする。
シダが毒をもった果実を運ぶ
何のことを言っているのかよくわかりませんが^^;
説明を追加しました。
47 不純な野心を達成するために鷲の姿を装ったジュピターによる羊飼いの少年ガニメデの誘拐。両親は寂しさで嘆きます。
悪魔は品のないやり方で口をひろげて悪意のある歓喜の「顔」をしている。
43 聖エウスタキウスの伝説
狩人であるエウスタキウスが雄鹿を追っている時、突然角の間に輝く十字架を頂いた雄鹿の幻をみて、キリスト教に改宗。
54 ノア、箱舟を造る (創世記第6章) 顔が覗いているのは箱舟に造った部屋の天窓?
38 貧乏人ラザロの死と金持ちの死(ルカの福音書第16章)
左:貧乏人ラザロ、パンくずを求めて金持ちの人のドアの前でうずくまっている。彼は死亡し、2人の天使によって天国に運ばれる。
中央:金持ちが彼のベッドの上で死亡し、ベッドの脇には妻たちが、ベッドの下にあるお金が入った袋にはトグロを巻いた蛇が絡み付いている。
右:楽園の木の下で、家長アブラハムが彼の膝の上で彼を大事にしているラザロの魂を受け取る。
33 世俗音楽と不道徳の悪魔
中央・・・民族音楽をする人がフルートで野性的で心を揺さぶる音楽を奏でている
左・・・良き妻が、民族音楽をする人にあの形式で音楽を作らないように警告をしている
右・・・不道徳もので、体が誘惑で膨れ上がりねじれている悪魔
、
28 聖ベネディクトの誘惑
27 たぶん描かれたうちのひとりが旅に出るところと思われる(巡礼者)
34 師と学生たち????
26 楽園の4本の河 (創世記第2章11-14)ビション、ギホン、ティグリス、ユーフラテス)口から出ているようにみえるのが河?
まだまだ続きます~。
*注 日本語訳は私が付けたので間違っているかもしれません。悪しからずご了承ください。^^
(2011年5月23日午前中)
こんにちは^^)
やはりそれぞれの柱頭部にストーリーが語られているのですね。。。
絵画や彫刻によってメッセージをその時々の人々に伝え
またそれを後世に残す・・・人類の英知と文化を感じますね(^w^)
by rtfk (2011-08-17 15:54)
すごい!!としか言いようがありませんね。
現代の建造物も後世の人々には何かメッセージを残せる
のでしょうか?経済性だけが優先される時代にそんな
芸術は生まれないのですかね。
続きが楽しみです~。^^
by キャロロ (2011-08-17 20:07)
撮影って疲れますよね。
僕もヘロヘロになっちゃいますよ。^^*
by こうちゃん (2011-08-17 23:26)
ヘッダーが、爽やかになりましたね~。
by angie17 (2011-08-18 00:11)
悪魔の顔がおもしろく思われてしまいました^^;
by miyoko (2011-08-18 03:18)
おはようございます
昔の建物ってものすごくこっていますよね==
すごいなーっと思います。
by やま (2011-08-18 04:33)
素晴らしい彫刻ですね。
歴史を感じます。
by YUKIE_CHEF (2011-08-18 06:20)
なるほど。
本当にさまざまな表情をしているのですね。
by egg (2011-08-18 06:55)
皆様、おはようございます。
お越しくださり、nice! & コメントありがとうございます。
今朝も朝から真夏の太陽が照り付け、暑くなりそうです。
by kuwachan (2011-08-18 07:04)
♪rtfkさん
おはようございます。
そうなんです。ひとつひとつあるのですが、日本語じゃないので
解読するのが大変でした(笑)それから写真となかなかマッチしない。
トランプの神経衰弱みたいな感じでしたよ(^^ゞ
当時は絵や彫刻によって表現するのが最高の方法だったのでしょうね。
by kuwachan (2011-08-18 07:05)
♪キャロロさん
驚くほど素晴らしいですよね~。
それぞれの時代で伝えられるものはきっとあるハズです
経済性も今の時代にはとっても大切なこと。
そういうところが後世で認められると嬉しいですね(^_-)-☆
by kuwachan (2011-08-18 07:07)
♪こうちゃん
レベルの違う話でお恥ずかしい限りです(^^ゞ
上ばかり見続けるのは大変でした。
by kuwachan (2011-08-18 07:07)
♪angie17さん
気づいて下さって、ありがとうございます。
夏空から替えてみました(^_-)-☆
by kuwachan (2011-08-18 07:09)
♪miyokoさん
いろんな顔があって面白いですよね。
by kuwachan (2011-08-18 07:09)
♪やまさん
はい、現代では絶対真似ができないような
凝りに凝っているのが多いですよね。
権力の力も大きいと思いますが、ホント凄いです。
by kuwachan (2011-08-18 07:11)
♪YUKIE_CHEFさん
見るものを圧倒する見事な彫刻でした。
800年も前のものとは思えませんよね。
by kuwachan (2011-08-18 07:37)
♪eggさん
ひとつひとつ違うでしょ。
表情があるんですよね。
そこがまた惹きつけられるところです^^
by kuwachan (2011-08-18 07:38)
おはようございます^^
こちらのブログへお邪魔すると、ほんと旅気分を味わえるので
ウキウキします。
知らない土地、知らない物、食べ物・・・冒険心が激しいので
興奮しっぱなしです^^
by サチ (2011-08-18 10:11)
ご無沙汰です
柱頭の彫刻は凄い! 神話の世界を彷彿とさせて頂きました
by hieroh66 (2011-08-18 10:58)
トップが変わってて緑がまぶしいです。
素敵な写真なので頂きましたよ。
写真と説明書の照合大変でしょう?
お疲れ様~
by ネイル (2011-08-18 14:29)
ひとつひつの彫刻の由来が今も残されているの凄いです^^
by hrd (2011-08-18 15:02)
いつもご訪問くださり、有り難うございます^^
by yu-papa (2011-08-18 18:49)
♪サチさん
こんばんは☆
旅気分を味わって下さって、ありがとうございますm(__)m
とっても嬉しいです。記事を書く励みになります^^
知らない土地へ行くのはワクワクしますよね。
だから旅はやめられないのです(笑)
by kuwachan (2011-08-18 20:32)
♪hieroh66さん
どうしていらっしゃるのかな?と心配していましたが
よかったです。あまり無理はされませんように。
また覗いて下さいね。お待ちしております^^
聖書や神話に因んだ彫刻が多いのですが
その内容がわかるとまた見方がかわります。
by kuwachan (2011-08-18 20:35)
♪ネイルさん
どうぞ、どうぞ、ご自由にお持ち帰りください。
トップの画像はサイズが決まっているので、サイズが普通ではありません。
「緑の日々@蓼科高原 前篇」の記事の画像の方がいいかもしれません。
彫刻の画像、順番の撮ったつもりだったのですが、撮り直したりして
分からなくなってしまったのです(>_<)仕方がないですね^^;
by kuwachan (2011-08-18 20:36)
♪hrdさん
彫刻を見ただけでは、聖書のどこの章なんて分からないので
きっとどこかに書き留めていたのでしょうね。
聖書を一部分でも読むと、なるほどって思いますよ^^
by kuwachan (2011-08-18 20:37)
♪yu-papaさん
こちらこそ、お越しくださってありがとうございます。
by kuwachan (2011-08-18 20:37)
こういう芸術性の高い建造物をみると、人間ってすごいなあって思いますね。しかし素晴らしいですよね。
by yuuri37 (2011-08-18 21:30)
こういう彫像の一つ、一つに、由来が残っているとは、驚きですね。
by テリー (2011-08-18 23:18)
細部まで、このような建物を当時はどれだけの時間と人を使ったか
想像するととても壮大な感じがします。
by 土芽 (2011-08-19 06:21)
奥深くって オモシロイ・・・興味深いっていう方がいいかしら・・・。
視覚の教え・・・伝わるわねぇ。スゴイ・・・。
by 七色音 (2011-08-19 10:40)
♪yuuri37さん
こんにちは。
見れば見るほど素晴らしいですよね。
作品を見ていると、当時の人たちの思いとか宗教感とかが
この作品の中に込められている感じがします。
人間って次々と色々なものを生み出していて、まだまだ計り知れないですよね。
by kuwachan (2011-08-19 12:19)
♪テリーさん
ここが特別な聖堂だったからだとは思います。
いくつかの作品はわからないものもあるのですが
ほとんどわかっています。
by kuwachan (2011-08-19 12:19)
♪土芽さん
柱頭がある部分の建物は30年位で建てているようです。
今のような建設機械がある時代ではないですから
相当な人数でしょうね。
by kuwachan (2011-08-19 12:20)
♪七色音さん
深く調べれば調べる程面白くなるかもしれません。
因んだ聖書の部分をチラッと読むだけでも
なるほど~っと思うことがありました。
視覚で表現・・凄いです。
by kuwachan (2011-08-19 12:20)
御射鹿池の写真を拝見し、見に行きたいと言う気持ちを抑えられず
17日~18日に、蓼科高原を旅行してきました
蓼科湖や白樺湖にはガッカリさせられますが、この池の事を知り
改めて蓼科高原を再認識しました、有り難うございました
1週間後ぐらいに、その時の記事をアップしますが、ついては
kuwachanさんの記事の、お陰で行く事ができたと、コメントを
入れたいのですが、宜しいでしょうか? お伺いいたします!
by koh925 (2011-08-19 14:31)
♪koh925さん
こんばんは。
え~、思い立ったが吉日で蓼科までいらしたのですか!
確かに白樺湖のあたりは・・ちょっとと私も思いますがが^^
蓼科も選んで行くといいところがたくさんあります。
御射鹿池のあたりはかなりはずれていますし、静かなところですよね。
記事の件、もちろん構いません(*^_^*)
by kuwachan (2011-08-19 22:01)
ご訪問くださり、有り難うございました。
息子の方は、早い対応で、元気になりました^^
by yu-papa (2011-08-21 19:52)
私もそうです。
ブログをやっていなかった頃は、画像はPCに保存したまま。
そのPCを使わなくなれば、画像は救い出されることなく
PCと共に消えていました^^;
ブログをするようになって、ちゃんとガイドブックやパンフレットを見ながら
復習するので、記憶にもちゃんと残ります(笑)
by リュカ (2011-08-21 22:15)
♪yu-papaさん
それは本当によかったです。
ひと安心ですね。
♪リュカさん
やっぱりー、リュカさんもそうだったのですね(笑)
以前は貰ったパンフレットを読み返したりすることも
ほとんどなかったのですがしっかり読みますものね。
記録もブログの中の残っているので、
たまに昔の記事を遡ってみたりすることがあります^^
by kuwachan (2011-08-22 09:31)
旧約聖書、新訳ともに私の仕事には必要なものです。
読むだけでなくこうして実際の建造物からもいろいろなものが感じられ想像力をかきたてられてとても嬉しいです。
私はキリスト教ではありませんが、(無宗派です)西洋音楽史の中にはキリスト思想をはずして考えることが出来ないのです。
実際に音楽作品にも沢山反映されているのですが、実際にその内容を知るには現地で体感することが大切と思いました。
それにしても、沢山の写真を撮られましたね。
おっしゃるとおり、写真の保存は私もほったらかしになることが多いですが・・・kuwachanはちゃんとこのようにブログに記録し克明な文章をつけていらっしゃる。すごい、素晴らしいです^^
by ake_i (2011-09-01 14:06)
♪ake_iさん
ヨーロッパの芸術はすべて新旧聖書、キリスト教と繋がっていますよね。
はずして考えることは絶対に無理です。
実は私、大学はキリスト教系だったのですが、だっただけですね(^^ゞ
そう言えば、今思い出したのですが・・・入学する時の新約聖書が送られてきて持っていました(笑)
折りに触れて読んでみようかしら^^
写真ね、ひどい写真ばかり量産です(冷汗)もうちょっとまともに撮りたいですね。
ブログは公開ってことでやっぱりかなり頑張ったかな(笑)
by kuwachan (2011-09-01 21:04)